ヒトにおける分泌場所と成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 05:27 UTC 版)
「肺サーファクタント」の記事における「ヒトにおける分泌場所と成分」の解説
ヒトの肺サーファクタントは、II型肺胞上皮細胞によって産生されて、肺胞の空気が入る側へと分泌されている。ただし、肺サーファクタントの分泌は、肺呼吸が開始される以前の胎児の段階から既に始まっており、概ね妊娠20週目頃より分泌が開始され、28週頃より増加、34週で十分な量となる。その成分の約90 %は、分子内に疎水性の部分と親水性の部分を持っていて界面活性剤として作用するリン脂質である。リン脂質の中で、その約8割を占めている主要成分はジパルミトイルホスファチジルコリン(dipalmitoylphosphatidylcholine)である。残り約10 %はある種のタンパク質(肺サーファクタントタンパク質A~D)、遊離脂肪酸、トリグリセリドなどから成る。なお、ヒトに対してアンブロキソールを経口投与すると、II型肺胞上皮細胞からの肺サーファクタントの産生が促進されることが知られている。ちなみに2016年現在、アンブロキソールは去痰薬として臨床で使用されている。また、同じく去痰薬として臨床使用されている、アンブロキソールと類似の化学構造を持ったブロムヘキシンも、やはりII型肺胞上皮細胞からの肺サーファクタントの産生を促進する作用を持つ。
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