ヒトにおける停留精巣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 04:12 UTC 版)
新生児の4.1%〜6.9%に発生し、特に低体重児では19.8%〜22.5%と高頻度に発生する。生後半数以上が自然降下するが、その時期はほとんど生後3ヵ月以内。生後6ヵ月までは自然降下を期待して経過観察とするが、将来の妊孕性を考慮し、1歳前後、遅くとも2歳までに精巣固定術を行う。腹部に停留している場合、90%は思春期までに精細胞が完全に消滅する。しかしながら陰嚢上部に留まれば20%程度の消滅にとどまり、停留部位によって危険性は異なる。下垂体性性ホルモン欠損症例ではhCG/GnRHによるホルモン療法で精巣の下降が期待できる場合もある。また、多くの場合において第二次性徴は普通に発来するが、一部に遅延する症例も見られる。 また、外科的な精巣固定手術のみではなく、hCG/hMG、テストステロンなどによるホルモン療法が必要になる事が多い。なお、停留精巣の者は、精巣固定手術の実施の有無にかかわらず、精巣腫瘍を発症するリスクが一般男性と比べ3倍~14倍と高い。
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