ヒトにおけるコカエチレンの生理作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 13:45 UTC 版)
「コカエチレン」の記事における「ヒトにおけるコカエチレンの生理作用」の解説
コカエチレンは、コカインと同様に局所麻酔作用を有しており、同じエステル型の局所麻酔薬と言える。これとは別に、コカエチレンは、やはりコカインと同様に、ヒトの脳に対して直接作用することが可能である。つまり、ヒトの血液脳関門をコカエチレンも突破できるのである。コカエチレンは、脳内の細胞に存在するドーパミントランスポーター、セロトニントランスポーター、ノルアドレナリントランスポーターを全て阻害することによって、神経伝達物質として細胞外に放出されたドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンの細胞内への取り込みを妨げて、細胞間に存在するこれら3種の神経伝達物質の量を増加させる。これにより精神刺激作用、多幸感をもたらす作用、食欲減退作用、アドレナリン様作用を有する。ただし、コカエチレンは、ドーパミントランスポーターをコカインよりも強く阻害する一方で、セロトニントランスポーターとノルアドレナリントランスポーターに対してはコカインほどには阻害しない。このためなのか、コカインよりもコカエチレンの方が、多幸感が長く続くとされている。そして、以上のような作用を持つことから、コカインと同様に濫用薬物として、楽しみのためにヒトによって使われてきた。つまり、コカインの濫用と同時に、酒を飲むという使われ方がなされてきた。なお、この他にコカエチレンにはコカインと同様に心毒性を持っている。しかも、コカインよりもコカエチレンの方が心毒性の強いことが示唆されている。
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