ヒトと微生物叢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:33 UTC 版)
腸内をはじめヒトの体には微生物が定着している。大腸には特に多数の細菌が生息しており、重量は体重70kgの成人男性で0.2kgに過ぎないが、細胞数では約40兆に及ぶと推定されている。この数は個人の全細胞の数を超える。ヒトの微生物叢は特にヒトマイクロバイオームと呼ばれ、疾病等との関連性から重点的に研究が進められてきた。その中でも腸内細菌叢に関する研究が特に焦点を当てられてきており、腸管に沿って腸内細菌叢の構造が変化することや、様々な疾病との関連が明らかにされている。同様に、口腔、皮膚、膣などの微生物叢も疾患との関連などから研究されてきた。また、ヒトの微生物叢の大規模な調査として、アメリカのHuman Microbiome ProjectやヨーロッパのMetaHITなどの国家規模のプロジェクトが実施されている。 ヒトの微生物叢は腸管、口腔、皮膚、膣といった部位ごとに、構成する細菌種が異なり、例えば他者間のヒト腸管の微生物叢を比べた場合と、同一個人で腸管と口腔の微生物叢を比較した場合、前者の方が互いに類似性が高い。
※この「ヒトと微生物叢」の解説は、「微生物叢」の解説の一部です。
「ヒトと微生物叢」を含む「微生物叢」の記事については、「微生物叢」の概要を参照ください。
- ヒトと微生物叢のページへのリンク