ヒエラ・アナグラフェ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 18:23 UTC 版)
「エウヘメロス」の記事における「ヒエラ・アナグラフェ」の解説
エウヘメロスの遺した作品「ヒエラ・アナグラフェ」は、ディオドロスによって引用された断片とラテン語に翻訳された断片が現在に伝わっている。それによると、ヒエラ・アナグラフェは旅行記の形式で、主人公が空想上のアラビア国家パンカイア(多様な民族が結束するユートピア)を訪れ、そこである碑文を発見するというストーリーであった。碑文はゼウス神殿の黄金の支柱に刻まれており、神々はただの人間が死後神格化された存在に過ぎないことを暴露するという内容であった。ギリシア神話の宇宙の支配権を争ったウラノス、クロノス、ゼウスはパンカイアの歴代の王であり、ゼウスは絶大な権力でクレタ島も支配していたが、死後神格化してギリシア民族の最高神になったのだという。これはエウヘメリズムの骨子とも言うべき内容である。
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