バレンシア語の方言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 01:09 UTC 版)
北バレンシア方言:カステリョン県北部のベニカルロやビナロス、アラゴン州テルエル県のマタラニャ地域、カタルーニャ州タラゴナ県のトゥルトーザを取り囲む州境地域で話される。語末の"r"が不定詞形では発音されない("kan'tar"ではなく"kan'ta"となる)、"el, els"の代わりに古い冠詞"lo, los"が使われる(lo xic, los hòmensなど)といった特徴を持つ。 カステリョン方言:カステリョン・デ・ラ・プラナを中心に話される。標準的な"a"の音の代わりに"e"を使うので区別しやすい。たとえば"Als matins ell cante en la dutxa"(朝にシャワーの中で彼は歌う)では"canta"が"cante"となる。 中央方言(apitxat):バレンシア市を中心に話される。バレンシア州の中心地であるが、テレビやラジオは中央方言を標準とは見なしていない。2つの特徴がある。有声の歯擦音が無声になる。ほかの地域で['dʒove], ['kaza](若い男、家)と発音されるものが['tʃove] ['kasa]となる。リバゴルサ方言と共通する特徴。 単純過去が残っている。ほかのカタルーニャ語地域では「行く+不定詞」の過去形となるものが、代わりに単純過去になる。たとえば、"ahir vaig anar a passejar"ではなく"ahir aní a passejar"(私は昨日散歩に行った)となる。 南方言:バレンシア県とアリカンテ県の間の地域で話される。標準的なバレンシア語とされている方言である。おもな特徴は母音調和である。二音節の単語の後ろの音節がAで、前の音節がEやOのときは、前の音節に引きずられる。"terra" [tɛrɛ](地球)、"porta" [pɔɾtɔ](ドア)、"dona" [dɔnɔ](女性)など。 アリカンテ方言:アリカンテ県の南部で話される。ムルシア州のカルチェ地域では、多くの特徴が東カタルーニャ方言と共通する。
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