バガトらの研究の詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/19 22:05 UTC 版)
引力の可能性を外すために、バガトとそのチームは簡単な実験を行った。彼らは水平な平面に噴き出る水を当て、単純な跳水を起こした。その際、彼らはこの面を垂直、45度、水平と様々な方向に傾けた(水平のときは、噴流が天井になる面に当たるようにした)。結果、いずれの場合も跳水は同じ地点で起きた。つまり、射流の層はどの方向に面が向いていても、同じ大きさだった。 その他に関与している可能性のある力を調べるため、研究者たちは水に似た表面張力を持つが水の1000倍も粘度があるアルコールの一種グリセロールと混合することによって、水流粘度を変化させた。彼らはまた、ドデシル・ベンゼン・スルホン酸ナトリウムという一般的な洗剤成分を混合することにより、粘度を一定に保ちながら、表面張力を減少させた。最後に水とプロパノールを混合することで粘度と表面張力を共に変化させ、純水より粘度は25%高く、表面張力は3倍弱い溶液を作製し、表面張力や粘度と跳水現象の関係について実験を行った。こうして各々の力の影響を分離することによって、研究者たちは表面張力を低下させると跳水の半径や面積は増加するが、粘度の場合はその逆になる、という結果を得た。水に関する限り、主たる原因は表面張力なのだが、このことはダ・ヴィンチや彼以降他の多くの人々に議論されたにも関わらず、これまで認識されてこなかった。バガトらの研究は長年にわたって明らかにされていなかった跳水現象の原因を突き止めた。
※この「バガトらの研究の詳細」の解説は、「跳水」の解説の一部です。
「バガトらの研究の詳細」を含む「跳水」の記事については、「跳水」の概要を参照ください。
- バガトらの研究の詳細のページへのリンク