ハロッド=置塩型投資関数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:32 UTC 版)
「置塩信雄」の記事における「ハロッド=置塩型投資関数」の解説
ケインズの高弟であり、ポスト・ケインジアンの一人であるハロッドは、ケインズ経済学の動学化を行い、経済成長論のモデルを作り上げた。このモデルは経済の自律的な安定を確保する難しさを例示するもので、保証経済成長率 (資本の増加率)が、完全雇用をもたらすような自然経済成長率 (労働力の増加率)と別個に規定され、自律的に均衡に向かわないと仮定されていて、両者の不均衡が不況やインフレをもたらすとされていた。 置塩はハロッドの不安定性論の論理を厳密化して、必ずマクロ的に不安定をもたらす投資関数「ハロッド=置塩型投資関数」を定式化した。投資関数の重要性は、需要や生産や雇用の量を左右する主要因が、資本家の投資需要であることを突き止めたことからくる。資本主義経済の不安定性は、この投資が資本家の私的で分散的な(しかし競争の圧力の中で利潤追求に方向付けられた)意思決定に委ねてられている点に由来する。置塩は、「ハロッド=置塩型投資関数」を活用して、さまざまな条件の下での経済動学を研究するだけでなく、投資決定理論自体の研究を生涯続けた。
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