ハイイロシメジとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ハイイロシメジの意味・解説 

ハイイロシメジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/02 21:51 UTC 版)

ハイイロシメジ
ハイイロシメジ Clitocybe nebularis
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : ハラタケ亜門 Agaricomycotina
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
亜綱 : ハラタケ亜綱 Agaricomycetidae
: ハラタケ目 Agaricales
: (和名なし) Clitocybaceae
: ハイイロシメジ属 Clitocybe
: ハイイロシメジ C. nebularis
学名
Clitocybe nebularis
(Batsch), P. Kumm. (1871)[1]
シノニム[1]
和名
ハイイロシメジ[3]
英名
Clouded funnel[3]

ハイイロシメジ(灰色湿地[4]・灰色占地[5]学名: Clitocybe nebularis)は、Clitocybaceae科[注 1]ハイイロシメジ属(旧カヤタケ属)の中型から大型のキノコである。毒キノコの一つ[6]

分布・生態

北半球に広く分布する[3]。落葉分解菌(腐生性)[5]。秋から初冬にかけて、各種林内の落葉が多く堆積した地上に散生、または群生する[4][5]。落葉には、キノコの本体にあたる白い菌糸体が見られる[5]

形態

子実体からなる。傘の径は6–20センチメートル (cm) [3][5]。成熟するとほぼ平らに開くが、中央部がやや窪むことが多い[4]。傘表面は淡灰色、中央部は色が濃く、縁部はやや内側に巻き込む[4]。傘裏のヒダは、白色から淡いクリーム色で、密に配列し、柄に対して垂生する[4]

柄は長さ3 - 6 cmで[5]、傘に対してやや短く、根元は大きく膨らみ、ずんぐりしている[4]。柄の表面は白色から淡灰色で、縦線がある[4]はしまっていて加熱したニンニクのような匂いがある[4]

食毒性

大きくて肉厚で食べ応えがある食感で、シメジのような香りがあり、味もよく良いダシが出るので、地方によっては珍重されるところもある[4][5]。しかし加熱不足による生に近い調理や、体質によって中毒を起こすので毒キノコとされ、安易に食用にすることは慎むべきである[4][5]。毒成分については不明とされる[4][7]

食後数十分から24時間以内に、悪寒嘔吐下痢などの消化器系の中毒症状を示すが[5][7]、2 - 3日後には回復する[4]

類似するキノコ

類似種にシロノハイイロシメジ(C. robusta)があり、本種よりも白みが強くニラの腐敗臭があるとされる[8]。2024年に新潟県の直売場で大黒シメジ(ホンシメジ)として誤って販売された事例がある[9]

脚注

注釈

  1. ^ 古い図鑑ではキシメジ科に分類されていた[4]

出典

  1. ^ a b c Clitocybe nebularis”. MYCOBANK Database. 国際菌学協会 (IMA) とウェスターダイク菌類生物多様性研究所. 2025年3月3日閲覧。
  2. ^ サミュエル・フレデリック・グレイ (1766 – 1828) or ジョン・エドワード・グレイ (1800-1875)
  3. ^ a b c d スミソニアン協会 監修『地球博物学大図鑑 新訂版』デイヴィッド・バーニー 顧問編集、増田まもる・西尾香苗・松倉真理 翻訳、東京書籍、2024年、217頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 長沢栄史 監修 2009, p. 86.
  5. ^ a b c d e f g h i 白水貴 監修 2014, p. 67.
  6. ^ 原田栄津子 ほか 2009.
  7. ^ a b 自然毒のリスクプロファイル:ハイイロシメジ(Clitocybe nebularis) キシメジ科カヤタケ属 厚生労働省
  8. ^ 大作晃一・吹春俊光・吹春公子『おいしいきのこ毒きのこハンディ図鑑』主婦の友社、2016年、45頁。
  9. ^ 「購入した人は食べないで」 温泉施設の直売所で誤って毒キノコを販売 食用ではない“ハイイロシメジ” 五泉市 《新潟》

参考文献




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ハイイロシメジのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ハイイロシメジ」の関連用語

ハイイロシメジのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ハイイロシメジのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのハイイロシメジ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS