ノジスミレとは? わかりやすく解説

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野路菫

読み方:ノジスミレ(nojisumire)

スミレ科の無多年草薬用植物

学名 Viola yedoensis


野路すみれ

読み方:ノジスミレ(nojisumire)

一種

季節

分類 植物


ノジスミレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/01 10:23 UTC 版)

ノジスミレ
市街地の駐車場で 4月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : マメ類 Fabids
: キントラノオ目 Malpighiales
: スミレ科 Violaceae
: スミレ属 Viola
: ノジスミレ V. yedoensis
学名
Viola yedoensis Makino (1912) var. yedoensis[1]
シノニム
  • Viola alisoviana Kiss. (1921)[2]
  • Viola philippica auct. non Cav. (1801)[3]
和名
ノジスミレ(野路菫)[4]
変種
  • リュウキュウコスミレ V. y. var. pseudojaponica

ノジスミレ(野路菫、Viola yedoensis[5])は、スミレ科スミレ属多年草。日当たりのよい道端などに生える、日本では比較的普通に見られる野草である。

スミレViola mandshuricaによく似る。

特徴

スミレViola mandshurica)によく似た濃紫色の花をつけるが、より素朴な感じがする。またスミレよりもやや花期が早く、香りが強いのも見分けるときのポイントになる。生育地はアリアケスミレと同じように、低地の人里周辺に限られ、山のなかや高原などで見かけることはまずない。田畑の周辺など日当たりのよい乾き気味の環境を好む。秋田県を北限に屋久島まで分布する。スミレに比べると草丈が伸びず、4~8cmにしかならない。花期の葉は長さ3~6cmの細長いへら形~長披針形で葉のふちが波打って見える。花はスミレよりもやや青みの強い濃紫色で、直径1.5cm前後になり、花弁のふちが波打つ。側弁はふつう無毛。花が白色のものをシロノジスミレという。花期は3月~5月。

分布と生育環境

本州の秋田県以南、四国、九州(屋久島以北)に分布し、路傍や駐車場など人家近くに生育する[6]朝鮮半島中国大陸中部にもあるとされるが、検討を要するという[6]

名前の由来

和名のノジスミレは「野路菫」の意で、乾燥ぎみの路傍や野原などでみられることからいう[7]

種小名(種形容語)yedoensis は、「江戸の」の意味[8]

ギャラリー

品種、交雑種

  • シロノジスミレ Viola yedoensis Makino f. albescens (Taken.) Hiyama ex F.Maek. - 白花品種[6]
  • オトコノジスミレ Viola yedoensis Makino f. barbata Hiyama - 側弁基部に毛があるもの[6]
  • ケナシノジスミレ Viola yedoensis Makino f. glaberrima F.Maek. - 植物体全体に毛がないもの[6]。鹿児島県や八丈島など、暖かい地方で見られる。
  • キレバノジスミレ Viola eizanensis Makino × V. yedoensis Makino - エイザンスミレとノジスミレの交雑種[9]

変種

  • リュウキュウコスミレ Viola yedoensis Makino var. pseudojaponica (Nakai) T.Hashim.[10] - 九州の宮崎県以南から沖縄県に分布し、葉は冬でも枯れない。沖縄ではふつうにみられる。葉は三角状卵形で変化が多く、葉柄の翼が明瞭である。花の中心部は淡く抜ける。花期は11-4月[6][11]

脚注

  1. ^ ノジスミレ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  2. ^ ノジスミレ(シノニム) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  3. ^ ノジスミレ(シノニム) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  4. ^ 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.329
  5. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2012年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月30日閲覧。
  6. ^ a b c d e f 門田裕一 (2016)「スミレ科」『改訂新版 日本の野生植物 3』pp.217-218
  7. ^ 『ふくしまスミレ図鑑』pp.68-69
  8. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1520
  9. ^ キレバノジスミレ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  10. ^ リュウキュウコスミレ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  11. ^ 山田隆彦 『スミレハンドブック』文一総合出版、2010年、57-58頁頁。ISBN 978-4-8299-1077-1 

参考文献

  • 平野隆久写真 『野に咲く花』林弥栄監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、1989年、239頁頁。 ISBN 4-635-07001-8 
  • いがりまさし 『日本のスミレ』高橋秀男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、1996年、138-139頁頁。 ISBN 4-635-07006-9 
  • 山田隆彦 『スミレハンドブック』文一総合出版、2010年、57-58頁頁。 ISBN 978-4-8299-1077-1 
  • いがりまさし 『増補改訂日本のスミレ』高橋秀男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2005年1月、138-139頁頁。 ISBN 4-635-07006-9 
  • 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 3』、2016年、平凡社
  • 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
  • 山下俊之・山下由美・遠藤雄一著『ふくしまスミレ図鑑』、2022年、歴史春秋出版

関連項目

外部リンク



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