ネダプラチン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 03:21 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | アクプラ |
Drugs.com | 国別販売名(英語) International Drug Names |
法的規制 |
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投与方法 | IV |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 100% |
識別 | |
CAS番号 | 95734-82-0 |
ATCコード | none |
PubChem | CID: 6917890 |
UNII | 8UQ3W6JXAN |
KEGG | D01416 |
化学的データ | |
化学式 | C2H8N2O3Pt |
分子量 | 303.17 g/mol |
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ネダプラチン(英語: Nedaplatin、略称:NDP)は、抗癌作用を持つ白金化合物である。商品名はアクプラ。塩野義製薬が開発し、日本では1995年6月に承認された。2016年に日医工へ販売移管された。 効能・効果は頭頸部癌・肺小細胞癌・肺非小細胞癌・食道癌・膀胱癌・精巣(睾丸)腫瘍・卵巣癌・子宮頸癌である。
作用機序
ネダプラチンは細胞内に入った後、グリコレート配位子のアルコール性酸素と白金の結合が切れて、白金に水が付加したイオン種(活性種、すなわちアコ錯体)を生成する。次に、一方が外れたグリコレート配位子は不安定になって脱離し、種々のイオン種に変化し、これらのイオン種がDNAと結合する。同効薬のシスプラチンと同様の経路でDNAと結合し、その結果、DNAの複製を阻害することにより抗腫瘍作用を示すと考えられている。
副作用
重大な副作用は、ショック、アナフィラキシー様症状、骨髄抑制(白血球だけでなく血小板も減少する)、アダムス・ストークス発作、難聴・聴力低下(1%から5%未満)、耳鳴、間質性肺炎、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群のほか、腎不全(0.1%から1%未満)である。
シスプラチンと比べて悪心(7.25%)や嘔吐(4.46%)(シスプラチンでは悪心・嘔吐として85.3%)、食欲不振(3.40%、シスプラチンでは74.6%)などが軽減されている[1][2][3][4]が、骨髄抑制は増加している(白血球減少:シスプラチン36.5%→ネダプラチン52.8%、血小板減少:シスプラチン17.0%→ネダプラチン44.8%、貧血:シスプラチン28.0%→ネダプラチン29.9%(Hb減少)・45.7%(赤血球障害))[5]:56[6]:40。
出典
- ^ “抗がん剤の種類と副作用 ネダプラチン(プラチナ製剤)”. 2014年9月10日閲覧。
- ^ Ota K (February 1996). “ネダプラチン”. 癌と化学療法 23 (3): 379–87. PMID 8712835.
- ^ “ランダ注10mg/20mL/ランダ注25mg/50mL/ランダ注50mg/100mL 添付文書” (2021年4月). 2021年12月3日閲覧。
- ^ “アクプラ静注用10mg/アクプラ静注用50mg/アクプラ静注用100mg 添付文書” (2017年5月). 2021年12月3日閲覧。
- ^ “ランダ注10mg/20mL/ランダ注25mg/50mL/ランダ注50mg/100mL インタビューフォーム”. www.info.pmda.go.jp. 2021年12月3日閲覧。
- ^ “アクプラ静注用10mg/アクプラ静注用50mg/アクプラ静注用100mg インタビューフォーム”. www.info.pmda.go.jp. 2021年12月3日閲覧。
参考文献
関連項目
固有名詞の分類
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