ネオ・プラグマティズムとウィトゲンシュタイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 07:38 UTC 版)
「ヒラリー・パトナム」の記事における「ネオ・プラグマティズムとウィトゲンシュタイン」の解説
1980年代末パトナムは、彼の言う現代分析哲学を特徴づける「科学主義」と反歴史性にしだいに幻滅を感じるようになった。彼は内在的実在論を捨てた。これは内在的実在論が心と世界のあいだの関係について「認知的インターフェース」モデルを想定していたからである。これ以降、ジェームズやプラグマティストからの影響が強くなり、心と世界の関係については「直接的実在論」を採用するようになった。パトナムはウィトゲンシュタインからの影響のもとに哲学そのものについても多元主義的見解を取るようになり、多くの哲学的問題は、哲学者が日常言語を元来のコンテクストから切り離して用いたために作りだされた概念的ないし言語的な混乱にすぎないとみなすようになった。 パトナムの最近著では、哲学がみずからに課した殻を打ち破り、普通の人々の世界や日常的な社会問題に立ち返るということに焦点が当てられた。例えば彼は民主主義、社会正義、宗教といったものが一体何を意味するのかについて書いている。パトナムはハーバーマスのようなヨーロッパの大陸哲学についても検討しており、「大陸的」思想から影響をうけた論文をいくつも書いている。
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