ニュッサのグレゴリオスとは? わかりやすく解説

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ニュッサのグレゴリオス

(ニュッサのグレゴリウス から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/18 14:30 UTC 版)

ニュッサの聖グレゴリオス
(ニッサの主教聖グリゴリイ)
生誕 335年
カッパドキア州カイサレア
死没 394年以降
ニュッサ
崇敬する教派 正教会非カルケドン派カトリック教会聖公会ルーテル教会
記念日 1月10日
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De virginitate

ニュッサのグレゴリオス335年頃 - 394年以降)は、4世紀キリスト教神学者聖職者である。正教会非カルケドン派カトリック教会聖公会ルーテル教会で聖人。372年よりニュッサ主教を務めたためこのように呼ぶ。日本正教会での表記はニッサの主教聖グリゴリイ[1]。カッパドキア三教父のひとり。ギリシアでとくに尊崇され、「神父のなかの神父」との異名がある。

来歴

カッパドキア州カイサレアのキリスト教家庭に生まれた。兄にカイサリアのバシレイオス、姉にマクリナ(ともに聖人)がいる。ナジアンゾスのグレゴリオスとは友人であった。司祭となったグレゴリオスを妻テオズワ(フェオズワ)はよく補佐し、慈善活動に努め、女輔祭と呼ばれた。妻の死後、グレゴリオスはニュッサの主教に選出された。

第1回コンスタンティノポリス公会議(第二全地公会)でアリウス派を反駁した。この反駁を通じ三位一体論の確立に貢献した。またの無限性(三位格の個の無限な交互浸透)についての神学を確立した。

書簡、マクリナ伝(姉マクリナの伝記)、雅歌講話などの著作が残っている。

正教会での記憶日はユリウス暦1月10日(グレゴリオ暦の1月23日に相当)[1]

主な著作

  • 『幸福について』
  • 『主の祈り講解』
  • 『人間創造論』
  • 『教理大講話』
  • 『雅歌講話』
  • 『モーセの生涯』

日本語訳

  • 土井健司『司教と貧者:ニュッサのグレゴリオスの説教を読む』新教出版社、2007年。ISBN 9784400227519 
  • ニュッサのグレゴリオス 著、大森正樹 訳『雅歌講話』新世社、1991年。 ISBN 4915623408 
  • 『盛期ギリシア教父』平凡社〈中世思想原典集成2〉、1992年。 ISBN 458273412X (宮本久雄訳『雅歌講話』431-482頁、秋山学訳『人間創造論』483-504頁、篠崎榮訳『教理大講話』505-612頁)
  • 谷隆一郎, 熊田陽一郎 訳『ギリシア教父の神秘主義』教文館〈キリスト教神秘主義著作集1〉、1992年。 ISBN 4764232014 (『モーセの生涯』所収)


脚注

  1. ^ a b 『正教会暦 2009年』日本ハリストス正教会教団

参考文献

  • アンドルー・ラウス『キリスト教神秘思想の源流 プラトンからディオニシオスまで』水落健治 訳、教文館、1988年1月初版。ISBN 4-7642-7125-7

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