ニコラス・カーとは? わかりやすく解説

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ニコラシカ

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/15 00:55 UTC 版)

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ニコラシカ

ニコラシカNikolaschka、他、綴り方多数)とは、ブランデーをベース(基酒)とするカクテルであり、ショートドリンク(ショートカクテル)に分類される。Nikolaschka以外にも、Nikolaschika、Nicolashka、Nicolaski、Nicolaskarなどと表記されることもある。アルファベット表記の場合、少なくとも7種類以上の綴り方があるとも言われる [1] 。 日本では、一般に、ニコラシカという呼称が広まっているものの[2]、アルファベットでの様々な綴り方があるために、ニコラシカ以外にも、ニコラスキ、ニコラスキー、ニコラスカ、ニコラスカーなどと、片仮名表記も変わることがある。しかし本稿では、以降、ニコラシカという表記で統一することとする。

由来

このカクテルは、ドイツハンブルクで誕生したと言われている[3][1][4][5][6][7]。ニコラシカというのは、ロシアの男性の代表的な名前の1つである、ニコライの愛称[3]。ドイツ産まれなのにもかかわらず、なぜニコラシカといったロシア風の名称が与えられたのかについては諸説あり、名称の由来はハッキリとしない。

特徴

カクテルには基酒以外の酒が使用されることが多々あるが、ニコラシカの場合には、基酒であるブランデーのみを使用するという特徴がある。最大の特徴は、シェーカーミキシング・グラスなどで材料を混合して完成させるのではなく、口内で混ぜることで完成させるという点である。通常、バーなどでは、注文したカクテルが完成された状態で客に提供されるが、ニコラシカは未完成の状態で客に提供される。

このカクテルは、ブランデーの入ったリキュール・グラスなどの上に、輪切りにしたレモンが乗せられ、そのレモンの中央部に砂糖が盛られた状態で客に出されるため、グラスが帽子をかぶったような形をしている。日本では主に上白糖が使用されるため、砂糖を山型に整形するのが一般的だが、欧米では主にグラニュー糖が使用されるため砂糖は山型に整形しにくい。このため、日本で作られるニコラシカの方が、帽子の高さが高くなりやすい。未完成の状態で提供されるため、ニコラシカを飲む人は砂糖の量が調節可能で、このカクテルの特徴の一つとなっている。カクテルとしてはレモンと砂糖が加わるものの、事実上、ブランデーのストレートを一気飲みするため、使用するブランデーによって味わいが大きく変わる特徴も持つ。

標準的なレシピ

  • ブランデー - 適量
  • レモン・スライス - 1枚
  • 砂糖 - 適量

作り方

読者の便利のため、「作り方」と「飲み方」に分割した。しかし、ニコラシカは口内で完成されるカクテルなので、作り方(提供の仕方)と飲み方(ニコラシカの完成)を、ここでまとめて記述する。

作り方

  1. リキュール・グラス(容量30ml程度)に、ブランデーを8〜9分目ほど注ぐ。(なお、他のグラスが使用されることもある。)
  2. レモンを輪切りにする。この時、レモンは、砂糖を乗せるために、その重みに耐えられるよう、やや厚めにスライスする[8]
  3. グラスに蓋をするようにレモンの輪切りを置き、その上に砂糖を乗せる。砂糖は、山型に適量乗せれば良いが、上白糖のように固まりやすい砂糖を使用するのであれば、山型に整形するのが一般的。

飲み方

  1. 輪切りにされたレモンの上に乗せられた砂糖の量が多過ぎるようであれば、ペーパーナプキンや灰皿などに捨てて、砂糖の量を調整する。
  2. 次に、砂糖が乗っているレモンの輪切りを手で二つ折りにして、果肉の部分を口に入れて噛み、搾り出されるレモンの果汁と砂糖を口内で混合する。この時、好みによって、レモンの果肉を噛み切って、果肉も混合してしまって構わない。なお、レモンの果皮など、余ったレモンはペーパーナプキンや灰皿などに捨てる。
  3. そして、甘酸っぱい味が口内に広がったら、グラスの中のブランデーを一気に口に入れる。ここでニコラシカは、ようやく完成する。
  4. 後は、そのまま飲めば良い。

備考

  • グラスは、リキュール・グラスの他にも、シェリー・グラスや小型のカクテル・グラスが用いられることもある[2][9]
    • シェリー・グラスや小型のカクテル・グラスが用いられることがあるのは、主に日本以外である[2]
  • ブランデーの量は、使用するグラスに合わせて調節する[9]
  • レモンの果皮が嫌いな場合は、レモンを輪切りにしてから、果皮を剥ぐこともある[10]
  • 日本では、砂糖をリキュール・グラス、または、メジャー・カップ、または、スプーンといったものを使って、山型に整形して、レモンの上に乗せるのが一般的である。
    • 砂糖は、様々な種類が使用されるが、グラニュー糖を使用する場合は、整形しにくいため、レモンの上に広げて乗せる[5][11]
    • 日本には広く流通している上白糖などの固まりやすい砂糖が、欧米では手に入りにくい[11]。欧米では、ニコラシカにグラニュー糖が用いられるため、日本で作られるニコラシカよりも、砂糖が輪切りにされたレモンの上に広がった状態となっている。
  • 飲む人の好みにより、砂糖にインスタントコーヒーの粉を混ぜることもある[11][12][8]
    • 砂糖にインスタントコーヒーの粉を混合するのは、標準的な作り方とは言えないので、ニコラシカをバーなどで注文する時、インスタントコーヒーの粉も使って欲しい場合は、その旨を予め伝えておく必要がある。

関連項目

出典

  1. ^ a b 岡 純一郎 監修 『カクテルベスト100』 p.100 西東社 1991年7月30日発行 ISBN 4-7916-0927-1
  2. ^ a b c 稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 p.47 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6
  3. ^ a b 福西 英三 『カクテルズ』 p.177 ナツメ社 1996年9月1日発行 ISBN 4-8163-1744-9
  4. ^ 後藤 新一 監修 『カクテル・ベストセレクション100』 p.97 日本文芸社 1996年5月20日発行 ISBN 4-537-01747-3
  5. ^ a b 若松 誠志 監修 『ベストカクテル』 p.132 大泉書店 1997年9月5日発行 ISBN 4-278-03727-9
  6. ^ オキ・シロー 『カクテル・コレクション』 p.149 ナツメ社 1990年3月24日発行 ISBN 4-8163-0857-1
  7. ^ 澤井 慶明 監修 『カクテルの事典』 p.77 成美堂出版 1996年12月20日発行 ISBN 4-415-08348-X
  8. ^ a b 上田 和男 『カクテル』 p.86 西東社 2001年3月15日発行 ISBN 4-7916-0994-8
  9. ^ a b 山本 祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 p.31 成美堂出版 1994年12月10日発行 ISBN 4-415-07873-7
  10. ^ 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 p.63 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3
  11. ^ a b c 福西 英三 『カクテルズ』 p.57 ナツメ社 1996年9月1日発行 ISBN 4-8163-1744-9
  12. ^ 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 p.62 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3

参考文献

  • 稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6
  • 上田 和男 『カクテル』 西東社 2001年3月15日発行 ISBN 4-7916-0994-8
  • 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3
  • 福西 英三 『カクテルズ』 ナツメ社 1996年9月1日発行 ISBN 4-8163-1744-9
  • 若松 誠志 監修 『ベストカクテル』 大泉書店 1997年9月5日発行 ISBN 4-278-03727-9
  • 岡 純一郎 監修 『カクテルベスト100』 西東社 1991年7月30日発行 ISBN 4-7916-0927-1
  • 後藤 新一 監修 『カクテル・ベストセレクション100』 日本文芸社 1996年5月20日発行 ISBN 4-537-01747-3
  • 山本 祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 成美堂出版 1994年12月10日発行 ISBN 4-415-07873-7
  • オキ・シロー 『カクテル・コレクション』 ナツメ社 1990年3月24日発行 ISBN 4-8163-0857-1
  • 澤井 慶明 監修 『カクテルの事典』 成美堂出版 1996年12月20日発行 ISBN 4-415-08348-X
  • 片方 善治 『洋酒入門』 社会思想社 1959年12月15日発行
  • アンテナハウス 編集 『カクテル物語』 同文書院 1991年12月18日発行 ISBN 4-8103-7043-7
  • 今井 清 『たのしむカクテル』 梧桐書院 1988年1月改訂版 ISBN 4-340-01204-1

ニコラス・G・カー

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 07:18 UTC 版)

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2008年のVINTシンポジウムにて

ニコラス・ジョージ・カー (Nicholas George Carr、1959年 - )はアメリカ合衆国著述家テクノロジービジネスおよび文化について書籍や論文を発表している。ダートマス・カレッジおよびハーヴァード大学で学んだ[1]。なお以前Harvard Business Reviewで編集者および編集責任者として働いていたことがある。

2010年に刊行した『ネット・バカ』(原題:The Shallows)は、2011年のピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門の最終候補に選ばれている[2]

概要

2003年にハーバード・ビジネス・レビューへ論文「ITは重要ではない」("IT Doesn't Matter")を発表、続いて2004年にハーバード・ビジネススクール・プレスから『ITは重要なのか?―情報技術と競争力の衰弱』(Does IT Matter? Information Technology and the Corrosion of Competitive Advantage)を刊行。情報技術が偏在化・標準化・廉価化するにつれてビジネスにおける情報技術戦略の重要性は逓減していると主張し、大きな反響を喚起した。IT産業に騒動を巻き起こし[3]マイクロソフト社、インテル社、ヒューレット・パッカード社などの主要企業役員の激烈な反応を招いたが、その主張を支持する声も多く聞かれた[4]

さらに2004年、論争的な[5]論文「コーポレート・コンピューティングの終焉」("The End of Corporate Computing")をMIT Sloan Management Reviewに発表。ここでは、将来、企業はITを設備サービスの一環として外部から調達することになるだろう、と述べている。

2008年1月には、「クラウド化する世界 ―ビジネスモデル構築の大転換」(The Big Switch: Rewiring the World, From Edison to Google)をW. W. Nortonから刊行。これはインターネットを基本とするコンピューター技術が経済・社会にもたらすものを、20世紀の電気産業と比較しつつ考察するものである[6]

2008年1月、『ブリタニカ百科事典』のアドヴァイザー評議会(Editorial Board of Advisors)のメンバーとなった[7]

Web 2.0批判

自身のブログ「Rough Type」では楽観的なテクノロジー思想に対する批判を行っており、とりわけインターネット上のソーシャル・プロダクション(国家や企業ではなく社会集団による無料の財の生産行為。具体例としてウィキペディアなど)を持ち上げる論理に批判的である。2005年には「Web 2.0の非道徳性」("The Amorality of Web 2.0")と題したエッセイを発表し、ウィキペディアやブロゴスフィアなど、ボランティアによるWeb 2.0的プロジェクトについて、これらは経済的に不利な立場におかれるプロフェッショナルの仕事を駆逐し、最終的に社会に害をもたらすと批判している[8]。批判に対し、ウィキペディアの共同設立者のひとり[9]で現在は事実上の代表者であるジミー・ウェールズは、例として引かれたウィキペディアの記事(ジェーン・フォンダビル・ゲイツの伝記事項。いわゆる「集合知」による5年間近い作業の成果とされる)を「ほとんど読むに耐えないクソだ」と認め、“どうすればいいのだろうか”とウィキペディアの質を改善するためのアドバイスを求めた[10]

2007年5月、ウィキペディアのページが検索結果の多くを占める(検索エンジン最適化)のはインターネットのトラフィックと権威が結びついた危険な状態であり、「情報植民」("information plantation")を導くものだと指摘[11]。さらに2007年8月、ウィキペディアが時間を経るにつれ規則や官僚制など複雑な仕組みをつくりあげる傾向があることを批判する中で、ウィキペディアの管理者に対する蔑称「ウィキクラッツ」(ウィキ+ビューロクラッツ)を発明した[12]

著作

脚注

外部リンク

主張と反響




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