ナチス・プロパガンダとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/01 02:28 UTC 版)
「国民ラジオ」の記事における「ナチス・プロパガンダとの関係」の解説
ゲッベルスは「ラジオ放送は最も近代的で最も重要な大衆感化の手段」であると考えており、低価格でラジオを流通させたのはその企図によるものだった。すべての国民ラジオは、ローカル局だけしか受信できないように意図的に設計されていた。つまり、ナチスのプロパガンダ放送は聴取できる一方で、たとえば英国放送協会(BBC)の国際放送BBCワールドサービスのような他のメディアは聴取できないように設計されていたのである。 国民ラジオでは、最後まで短波放送の周波数帯を受信できなかった。また、当時、他のメーカーの受信機ではチューニングスケール上に欧州の主要な放送局のダイヤル位置が記されていたにもかかわらず、国民ラジオは最後までそれに追随しなかった。たいていの場合、国民ラジオのチューニングスケールにはドイツの放送局のダイヤル位置だけしか記されておらず、低価格帯のモデルには、もともとチューニングスケール自体が欠落していた。 ナチス・ドイツでは外国放送の聴取は犯罪であったが、占領された地域のいくつかでは非ドイツ人の市民がラジオを聴くことさえ非合法だった。後にこの禁令は大部分の被占領国に拡大し、大量のラジオ受信機が没収された。大戦後期には、その罰則の範囲は死刑にまで及んだにもかかわらず、ナチスが占領した国の多くでラジオは秘密裏に聴かれていた。近接した国または地域間に対立がある場合の電波戦略として後には定番となったジャミングも試みたが、その成功は限定されたものでしかなかった。
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