ドートンの村
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 09:42 UTC 版)
バスは寒村に入ろうとせず、手前で2人を降ろす。民宿は狭く、おかみも不愛想であった。偶然にも、翌10月30日の午後3時から村祭りがあるという。パブの名前がオールドウィンクルであることを知ったスーザンは、村人に理由を尋ねるも誰も回答しない。海が見たいとスーザンは近づくが、行けども行けども海岸線にたどり着けなかった。 2人が民宿に戻ると、祭りの宿泊客が集まっていた。おかみは化粧しており、態度も変わって、2人は不思議なほど和やかに迎え入れられる。おかみに、翌日も宿泊するのか問われるも、否定して明日は帰ると回答する。ぼくは悪酔いし、スーザンがトイレで吐いているのを認識する隣で、眠りに落ちる。 ぼくが目を覚ましたとき、時刻は午後4時20分となっており、スーザンがいなかった。無人の民宿でぼくは、薬を盛られたことと、ぼくにだけ飲ませてスーザンには吐かせるように仕向けられたことを察するが、理由が全くわからない。外に出ても無人であり、3時の祭りに皆が出かけたのかと考える。ある一軒家で、窓ガラス越しに村人たちの顔を見たと思ったが、見間違いであり中には誰もいなかった。パブに入ると地下階段があり、浜辺に繋がっていることを確信して進む。ついに浜辺に出たとき、祭祀行列とスーザンが海に入ろうとしていた。ぼくは彼女の名を叫んで駆けだすが、殴られて気を失う。 次にぼくが目覚めたとき、浜辺には誰もいなかった。通報を受けた警察が無人の村を捜査するが、あまりに奇怪すぎて、報道されずにもみ消される。スーザンの手による別れを告げた書置きが見つかり、ぼくはスーザンはやつらと一緒に行ったことを認めざるをえなくなる。1960年の遭難事故の日、古の存在が現れ、きっかけとなったオールドウィンクルの名を、村人は看板に掲げたのだろうと、ぼくは結論付ける。警官とダイヴァーたちは、海底でオールドウィンクル号と310の人骨を発見し、その中の1体は遺物からジェラルディーン・スタンベリイであると判明した。虚実の境界を理解できないまま、ぼくはロンドンへと戻り、どうすればいいかもわからない。
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