ショパン:「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 変ロ長調
| 英語表記/番号 | 出版情報 | |
|---|---|---|
| ショパン:「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 変ロ長調 | Variations sur ‘La ci darem la mano' du ‘Don Juan’ B-Dur Op.2 CT225 | 作曲年: 1827-28年 出版年: 1830年 初版出版地/出版社: Vienna 献呈先: Titus Woyciechowski |
| 楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 |
|
|---|---|---|---|
| 1 | 序奏 ラルゴ Introduction: Largo | 6分00秒 | No Image |
| 2 | 主題 アレグレット Thema: Allegretto | 2分00秒 | No Image |
| 3 | 第1変奏 華麗に Var. I: Brillante | 1分30秒 | No Image |
| 4 | 第2変奏 急速に、ただし慎重に Var. II: Veloce, ma accuratamente | 1分30秒 | No Image |
| 5 | 第3変奏 ソステヌートを維持して Var. III: Sempre sostenuto | 2分00秒 | No Image |
| 6 | 第4変奏 技巧を誇って Var. IV: Con bravura | 1分30秒 | No Image |
| 7 | 第5変奏 アダージョ - ポーランド風に Var. V: Adagio - alla polacca | 4分00秒 | No Image |
| 8 | アッラ・ポラッカ Alla Polacca | 4分00秒 | No Image |
作品解説
ティトゥス・ヴォイチェホフスキに献呈。モーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》第1幕のドン・ジョヴァンニとツェルリーナの二重唱<ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ(お手をどうぞ)>から主題をとった変奏曲である。
シューマンが、自ら主筆を務めた『音楽新報』(ドイツ・ライプツィヒ発刊)の1831年12月7日号で、「諸君!脱帽せよ、天才だ!」と絶賛したのは、この作品。彼は更に、変奏1つ1つに対して、文学的なコメントを付した。ただしこの批評は、当時の音楽界ではあまり影響力を持たなかった(むしろ、早々にショパンの才能を評価したシューマンの眼力と文才を証明するとして、後年の歴史家が引き合いに出すものである)。また、ショパン自身もこのような「空想」をあまり好まなかったことが、今日に伝わる書簡からわかっている。
規模の大きな序奏から始まる。主題から引き出されたモティーフをまず弦楽器が静かに奏で、その後、ピアノ・パートが登場する。序奏の最後にカデンツァが挿入されており、アッタッカで主部へと入る。この主部は、主題と5つの変奏からなり、各変奏の合間には、オーケストラによるリトルネッロが置かれる。第5変奏に続いては、アッラ・ポラッカ(ポーランド風に)と記された大フィナーレが据えられている。
- ドン・ジョヴァンニのお手をどうぞの主題による変奏曲 変ロ長調のページへのリンク