ドイツ艦隊の撤退とイギリス艦隊の追撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:22 UTC 版)
「ドッガー・バンク海戦」の記事における「ドイツ艦隊の撤退とイギリス艦隊の追撃」の解説
ドイツ大洋艦隊を凌駕するイギリス連合艦隊の出現を知って、ヒッパーはイギリスの巡洋戦艦がドイツ艦よりも低速と信じて、当該海域からの退却及び基地のあるヘリゴランド・バイトへの帰投を命じた。これに対してビーティーは追撃を指示。戦闘は同航戦(両艦隊が同一方向に進行する海戦)に発展していく。 同航戦の場合、艦列を維持しつつ艦隊行動を取るためには両艦隊各艦の速度が重要である。この場合は海域・進行方向ともに同一であることから、気象条件等同一とみなして各艦の諸元から最高速度を比較してみる。 <<ドイツ艦隊>> ザイドリッツ 26.5ノット モルトケ 28.0ノット デアフリンガー 27.0ノット ブリュッヒャー 25.4ノット ドイツ艦隊は旗艦ザイドリッツに合わせて航行した場合、艦隊の最高速度は26.5ノットとなり、船足の遅いブリュッヒャーがやや遅れがちということになる。 <<イギリス艦隊>> ライオン 27.5ノット タイガー 28.0ノット プリンセス・ロイヤル 27.5ノット ニュージーランド 25.8ノット(第2巡洋戦艦戦隊) インドミダブル 25.5ノット(第2巡洋戦艦戦隊) イギリス艦隊は、第1巡洋戦艦戦隊3隻と第2巡洋戦艦戦隊2隻の速力の差が激しいことが分かる。このため、追撃戦となった場合も第2巡洋戦艦戦隊は遅れて航行することになる。 つまり「最低速」で比較すれば確かに両艦隊とも同速であり、ヒッパーの考えたとおり逃げ切ることは可能だったかもしれない。が、ビーティーは低速な2隻が遅れることを構わず、高速な3隻で追撃を行った。このため、イギリス艦隊はドイツ艦隊に追いつくことに成功する。午前9時までには、まずイギリスの第1巡洋戦艦隊が射程圏内まで追いつき、しばらくして第2巡洋戦艦隊も射程圏内に達した。
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