ツブカラカサタケ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/01 22:16 UTC 版)
ツブカラカサタケ | |||||||||||||||||||||||||||
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傘が最も大きい子実体がツブカラカサタケの成菌。その傘の下に生える2つの子実体は幼菌。
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Macropsalliota americana (Peck) Kun L. Yang, Jia Y. Lin & Zhu L. Yang (2024)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ツブカラカサタケ(粒唐傘茸) |
ツブカラカサタケ(粒唐傘茸[2]、学名: Macropsalliota americana)は、ハラタケ科 Macropsalliota に属するキノコ(菌類)である。肥沃なものから発生する白いキノコで、食べると消化器系の中毒を起こす。学名は、Leucocoprinus bresadolae(キヌカラカサタケ属)[2]や Leucoagaricus americanus(シロカラカサタケ属) などとされてきたが、2024年に変更されている。
分布
日本、ヨーロッパ、北アメリカの、肥沃なものから発生する[3]。
形態

傘径は5 - 15センチメートル (cm) [3]。最初卵形で、中高扁平型に開く[4]。幼菌は饅頭型[2]、やがて丸山形、さらにいびつな半球形になる[5]。
傘の表側は白色地に褐色の鱗片を放射状につけ、傘の盛り上がった中央部は暗褐色[4][3][5]。中央部は密生するが、周辺はまばらになる[2]。周辺部には不明慮な溝線がある[2][3]。
傘の裏側のひだは、白色ののち淡クリーム色で密生する[2][4]。隔生[4]。胞子は広卵形で9 - 10.5 × 6.5 - 7.5マイクロメートル (μm) [3]。
柄は長さ13 cm前後[5]。柄は下方が太く、中空。上部に脱落しやすい[4]。厚い膜質のつばがあり[3]、つばより上は粉状だが、つばより下は[2]、傘同様の粒状の鱗片におおわれる[3]が脱落しやすい[4]。
肉は白色で無味無臭[4]。肉質は海綿状[5]。触れたり傷ついたりすると表皮や肉に赤変性があり、乾燥すると全体が帯紫褐色化する[4][4]。
生態
夏から秋にかけて、切り株上、もみ殻、温室の中[3]、おがくず[3][2]、堆肥[3][4]、腐葉土、積みわら[2]、肥沃な地面[4]、木材チップを敷き詰め発酵し暖かくなっているような場所[3]などのような肥沃な所から群生や束生する[5]。社寺庭園などの落ち葉の集積場では、しばしば大量の発生がみられ、時には3か月にもわたり続き、高く積み上げられた落ち葉の山が目に見えて低くなる[2]。
毒
図鑑によっては食用となっていたり、毒があると紹介されていたりする[5]。食用するときは、下処理して汁物などにすると紹介されている[5]。消化器系の中毒を起こすとされるが[4]、毒成分は不明[2]。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “Macropsalliota americana”. MYCOBANK Database. 国際菌学協会 (IMA) とウェスターダイク菌類生物多様性研究所. 2025年3月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 長沢栄史 監修、Gakken 編『日本の毒きのこ』学習研究社〈増補改訂フィールドベスト図鑑 13〉、2009年9月28日、119頁。ISBN 978-4-05-404263-6。
- ^ a b c d e f g h i j k 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄、山渓カラー名鑑『増補改訂新版 日本のきのこ』、山と渓谷社、2011年、184~185頁
- ^ a b c d e f g h i j k l 柳沢まきよし、ポケット図鑑『新版 日本のキノコ275』、文一総合出版、2022年、123頁
- ^ a b c d e f g 瀬畑雄三 監修、家の光協会 編『名人が教える きのこの採り方・食べ方』家の光協会、2006年9月1日、89頁。 ISBN 4-259-56162-6。
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