チョウジタデ属とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 植物 > アカバナ科 > チョウジタデ属の意味・解説 

チョウジタデ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 23:48 UTC 版)

チョウジタデ属
Ludwigia inclinata
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ上類 superrosids
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : アオイ類 Malvidae / rosid II
: フトモモ目 Myrtales
: アカバナ科 Onagraceae
: チョウジタデ属 Ludwigia

本文参照

チョウジタデ属(ちょうじたでぞく)あるいはルドヴィジア属(ルドウィジアぞく、Ludwigia)はアカバナ科の一属である。水辺に生息するものも多いため、水中で栽培できるものもある。多くの種類は、適切な栽培条件で育てると、が赤みを帯びる。真紅に近い色をしたもの、オレンジ色に近い色をしたものなど様々ある。

日本では、ミズキンバイチョウジタデミズユキノシタなどが自生し、水田や水際などの湿性環境に生育する。チョウジタデは直立するが、ミズキンバイやミズユキノシタなどは直立せずに茎を横走させ、不定根を張る。

利用

主に、ルドヴィジアの名で園芸アクアリウムに使われることがある。種類によっては水中で育成することも可能。育成における難易度は種による。

なお、この類の外来種が人工ビオトープを中心に繁殖している事例がある。業者が湿地植物で花が美しいとして持ち込んでいるようである。特に、チョウジタデ属に含まれるものには茎の切れ端であっても繁殖(栄養繁殖)できる種が多いため、一度侵入すると完全な駆除が困難となる場合もある。

野生種

以下のような種が知られている。

  • アメリカミズユキノシタ L. repens J.R. Forst.
    • アメリカ合衆国などに分布。日本でも帰化種として生育していることが確認された。
  • ウスゲキダチキンバイキダチキンバイL. octovalvis (Jacq.) P.H.Raven
    • 琉球列島などに分布。L. o. var. sessiliflora をキダチキンバイとして変種に分ける考えもあるが、同種とする考えもある[1]
  • セイヨウミズユキノシタ L. palustris (L.) Elliott
    • アメリカ合衆国などに分布し、世界各地に外来種として侵入している。アクアリウムで栽培されることがある。
  • チョウジタデ L. epilobopides Maxim.
    • 花は小さく、花の下に子房が長く付いている。湿地や水田に普通。L. o. subsp. greatexii をウスゲチョウジタデとして変種に分ける考えもあるが、同種とする考えもある[1]
  • タゴボウモドキ L. hyssopifolia (G.Don) Exell
    • 中国、マレー半島、インド、フィリピン、オーストラリアなどに分布[1]
  • ヒレタゴボウアメリカミズキンバイL. decurrens Walter
    • 日本などでは帰化植物で、都市周辺の水田などに侵入して繁殖している。茎に鰭(ひれ)が生じる。
  • ミズキンバイ L. peploides (Kunth) P.H.Raven subsp. stipulacea (Ohwi) P.H.Raven(シノニム: L. stipulacea (Ohwi) Ohwi)
    • 湿地にはえ、高さ50cmに達することもある。黄色の大きな花をつける。水田にも出現するが、現在は絶滅危惧種である。
  • ミズユキノシタ L. ovalis Miq.
    • 日本、中国、韓国などに分布。ルドヴィジア・オバリスの名でアクアリウムで栽培されることがある。

栽培種

アクアリウムなどで栽培されているものを挙げる。

  • ニードルリーフルドヴィジア Ludwigia arcuata Walter
    • 北米原産。水中では非常に細長い葉を持つ種であるが。陸上では幅のある葉を持つ。
  • ルドヴィジア・インクリナータ Ludwigia inclinata (L.f.) M.Gómez
    • 南米原産。写真にある種である。パンタナール大湿原に多く生息し、水上では黄色い花を咲かせる。
  • ホソバタゴボウ(コバノタゴボウ、ホソバチョウジタデ)Ludwigia perennis L.[2]
    • アジア、アフリカ、オセアニアに生育する[3]。通称は「レッドルブラ」で、こちらの名の方が多く使われる。濃いワインレッドの葉を持つ。育成は他種に比べ難しい。
  • ルドヴィジア Ludwigia sp.
    • 代表的なルドヴィジアは、北米産の交雑種が多い。日本にも帰化し、温暖な地域の水辺などにみられる。

脚注

  1. ^ a b c Flora of China (2007) Vol. 13 Page 400-404
  2. ^ 米倉・梶田 (2003-).
  3. ^ Rehel (2011).

参考文献

英語:

日本語:

  • 小林道信他写真、富沢直人・山崎浩二文 『アクアリウムで楽しむ水草図鑑』 ピーシーズ、2001年、ISBN 4-938780-61-5
  • 高島実文、佐々木浩之写真 『はじめての水草ガーデニング : 選び方・育て方から見せるレイアウト術、メンテナンスまで』 成美堂出版、2001年、ISBN 4-415-01677-4
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2018年8月7日).

関連項目





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「チョウジタデ属」の関連用語

チョウジタデ属のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



チョウジタデ属のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのチョウジタデ属 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS