ダルシーの法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/11 15:10 UTC 版)
地下水の流れに対する解析によく用いられるダルシーの法則は、次式で示される。 v = k i ここで、v:見かけの浸透流速、または擬流 [cm/sec]、k:透水係数、または浸透係数 [cm/sec]、i:動水勾配である。 この法則はヘンリー・ダルシーが1856年に上水道の濾過砂を用いて導いた、層流状態に限って成り立つ関係である。ダルシーの法則で求められる浸透流速は、単位面積を単位時間に通過する流量であり、正確には流速というよりは流束と理解すべきである。これに対して、実際に水分子が移動する速度を表す場合には、実流速という言葉が用いられる。実流速は浸透流速を空隙率で割った値に等しいという関係がある。 透水係数(hydraulic conductivity)とは土中の水の流れやすさを示すもので、値が大きいほど水が流れやすいことを示す。透水係数の変動範囲は目安として、 シルト質砂で10−5 - 10−1 cm/s きれいな砂で10−4 - 1 cm/s 礫で10−1 - 102 cm/s 程度、または 細砂(粒径 1/4 - 1/8 mm)で0.016 cm/s 中砂(粒径 1/2 - 1/4 mm)で0.086 cm/s 粗砂(粒径 2 - 1/2 mm)で0.34 cm/s 小砂利(細礫)(粒径 4 - 2 mm)で2.8 cm/s で、一般に粘土は不透水、砂・礫は透水と言ってよい。 動水勾配は、 i = h / L で定義される。ここで h:水頭差 [m]、L:距離 [m] である。
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