ダイレクトジャカードの出現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 14:02 UTC 版)
「CGS ジャカードフォーマット」の記事における「ダイレクトジャカードの出現」の解説
日本では、電子ジャカードの登場以前に、ダイレクトジャカード(直織装置)というものが発明された。これは、メカ式ジャカードの紋紙読み取り部分を、メカトロ装置(紋彫機から応用された)で置き換え、紋紙不要とし、その代わりにフロッピーのデータで上がり下がりを制御するものである。いわば、メカ式ジャカードと電子装置のハイブリッドとでもいうべきもので、従来の紋紙式に比べて、大幅なコスト削減、短納期化に効果があったので、多くのメカ式ジャカードに搭載されるようになった。それにともない、ダイレクトジャカードのメーカーも、佐和染織(その後倒産)、カヤバ工業はじめ、多数のメーカーが出現し、各社各様のデータ形式が使われるようになった。 そのため、バラバラのデータ形式を統一するため、西陣織工業組合と京都染織試験場が中心となってCGSフォーマットを作成した。 ダイレクトジャカードの普及にともない、CGSは日本全国の織物産地で使用されるようになり、事実上、ジャカードデータを記述するための標準フォーマットとなった。一部、韓国、台湾など、アジア地区でも使用されたり、日本製の紋彫機や経編機に装備され、アジア各国に輸出された。電子ジャカードも日本にも導入されたが、日本向けに限っては、CGSフォーマットが採用されることがほとんどだった(海外では、各メーカーが自社開発のフォーマットを使用している)。 しかし、海外では、ほぼ同時期に電子ジャカードが使用されるようになったため、ダイレクトジャカードの普及は主として日本国内にとどまった。同じく、CGSは、日本特有のフォーマットになっている。この面では、日本のジャカード織物産業はガラパゴス的な状況となっている。電子ジャカードにおいても、CGSフォーマットの技術的困難さから、最近のものはCGSには対応していない(自社フォーマット対応)。
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