タスマニアクジラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/05/31 07:40 UTC 版)
| タスマニアクジラ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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タスマニアクジラ Tasmacetus shepherdi
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| 保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| DATA DEFICIENT (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) |
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Tasmacetus shepherdi Oliver, 1933 |
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| 和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| タスマニアクジラ タスマニアクチバシクジラ[1] |
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| 英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Shepherd's Beaked Whale Tasman Beaked Whale |
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2007年時点での座礁記録などの分布図。
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タスマニアクジラ(Tasmacetus shepherdi)は偶蹄目アカボウクジラ科タスマニアクジラ属のクジラであり、生態的な情報の多くが判明していない一種である。タスマニアクチバシクジラとも呼ばれる[1][2]。
分類
タスマニアクジラ属 (Tasmacetus) はアカボウクジラ科に属する属の一つであり、本属に属するのはタスマニアクジラ(タスマニアクチバシクジラ)のみである。
英語では「タスマンクジラ(Tasman Whale)」「タスマンクチバシクジラ(Tasman Beaked Whale)」や「シェパードクチバシクジラ(Shepherd's Beaked Whale)」とも呼ばれる[2][3]。
形態
形態的な特徴の多くは長年に渡って詳細が不明であり、細部が明らかになったのは2006年であった[2]。
成熟したオスの体長は約7.1メートル、メスは6.6メートルに達し、アカボウクジラ科でも比較的に大型である。出生児の体長は3メートル程度[1][2]。
吻は長く先細りになっており、頭部のメロンは垂直に切り立ったような形状である。背びれは鎌に似た形状であり、吻先から全長の2/3程度の位置にある。体色は背側は濃い茶色あるいは黒、側面には斜めに明るい模様(パッチ)があり、腹側は明るい色である。また、咽喉には「ハ」の字型の溝を持つ[1]。
顎にはアカボウクジラ科で唯一、咀嚼する事が可能な形態の歯を持つ[2]。上顎に17~21対、下顎には17~29対あり、また、雄の成獣は下顎の先端に1対の牙状の歯を持つ[1]。
生息状況
海上における確かな目撃例は非常に少なく、ストランディングの事例もわずかである。全生息数も不明である。
生息域も判然としないが座礁、観察例は全て南半球に存在している[1]。冷温帯での記録が多いが温帯や亜熱帯などでの確認は少なく、多くの場合は南緯33-50度の深海のある海域に分布している[2]。海上における生体の観察例は幾つかの国(ニュージーランド、オーストラリア、セーシェル、ゴフ島、トリスタンダクーニャ)にて報告されている。最初の目視確認は2006年になってからだった[2]。
2003年までに27個体の座礁が報告されている。27個体の内訳は、ニュージーランドが20、アルゼンチンが3、ファン・フェルナンデス諸島が2、オーストラリアとサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島がそれぞれ1である。2004年3月5日、ニュージーランドのワイタラ北部の北タラナキ湾(英語版)において、28例目となる座礁したタスマニアクジラがサーファーによって発見された。この地点は1933年に最初の座礁が報告された海岸の近くである。
特に、ニュージーランド・ダニーデンを中心とするオタゴ地方沖の海溝では2016年から2022年の間に17から19例の目撃が報告されており、年間を通して確認されている事もあり、重要な生息域だと推測される[4][5][6][7][8][9][10]。
生態
情報が不足しているために社会性やポッド(群れ)のサイズ、潜水のパターン、回遊の有無など、ほとんどの生態に関する知見が不明である[2]。情報が不足している理由であるが、人間を避けているのか、生息数が僅かなのか、それとも両方なのかも不明である。上記のオタゴ地方沖の海溝では、目撃だけでなく音響調査でも確認されており、20頭前後の群れの目撃例や、年間を通してこの海域に生息することが判明している[10][11][12]。
他のアカボウクジラ科が頭足類に偏った食性を持つのに対して、タスマニアクジラや魚類やカニを捕食することが判明しており、アカボウクジラ科で唯一咀嚼が可能な歯を持ち併せた形態との関連性が指摘されている[2]。また、多様な超音波パルスを発することも確認されている[11]。
人間との関係
古今を通して積極的な捕鯨の対象とはなったことはない。また、浅い沿岸部に接近することは稀であり、混獲や船舶との衝突などの重大な被害に遭っているという報告もない。
しかし、情報不足ゆえに明白な保護策も存在せず、積極的なホエールウォッチングの対象にもなっていない。
脚注
- 1 2 3 4 5 6 「タスマニアクチバシクジラ」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』ブリタニカ・ジャパン。コトバンクより2026年5月16日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 “Species Guide - Shepherd's Beaked Whale”. WDC(英語版). 2025年7月12日閲覧。
- ↑ 「豪チーム、希少なタスマニアクチバシクジラの群れの撮影に成功」『AFPBB News』フランス通信社、2012年2月23日。2025年7月12日閲覧。
- ↑ John Gibb, 2016年, Sighting of beaked whale a first, オタゴ・デイリー・タイムズ(英語版), 2021年09月03日閲覧
- ↑ Vaughan Elder, 2017年, Population of whales off Dunedin coast significant, study finds, オタゴ・デイリー・タイムズ, 2021年09月03日閲覧
- ↑ Steve Wood, 2018年, Otago Canyon Pelagic - Sept 29th., BirdingNZ, 2022年08月07日閲覧
- ↑ oscarkokako, 2021年, Shepherd's beaked whale (Tasmacetus shepherdi), iNaturalist, 2022年08月07日閲覧
- ↑ Oscar Thomas, 2021年, Moeraki Pelagics to Otago Canyons / Saturday 3rd and Sunday 4th July 2021, BirdingNZ, 2022年08月07日閲覧
- ↑ Hamish MacLean, 2022年, Rare whales seen, vocalisation recorded, オタゴ・デイリー・タイムズ, 2022年08月07日閲覧
- 1 2 adamduchac, 2022年, Shepherd's beaked whale (Tasmacetus shepherdi), iNaturalist, 2022年08月07日閲覧
- 1 2 Stephen M. Dawson, Jay Barlow, Marta Guerra, Eva. M. Leunissen, Trudi A. Webster, William J. Rayment (2024-11-25). “Shepherd's beaked whale (Tasmacetus shepherdi) produces a diverse variety of ultrasonic pulses” (pdf). Marine Mammal Science (ジョン・ワイリー・アンド・サンズ) 41 (2). doi:10.1111/mms.13199.
- ↑ David M. Donnelly, Paul Ensor, Peter Gill, Rohan H. Clarke, Karen Evans, Michael C. Double, Trudi Webster, Will Rayment, Natalie T. Schmitt (2018-02-10). “New diagnostic descriptions and distribution information for Shepherd's beaked whale (Tasmacetus shepherdi) off Southern Australia and New Zealand” (pdf). Marine Mammal Science (ジョン・ワイリー・アンド・サンズ) 34 (3): 829-840. doi:10.1111/mms.12478.
参考文献・外部リンク
- Thomas A. Jefferson, Shepherd's Beaked Whale in the Encyclopedia of Marine Mammals (1998). ISBN 0125513402
- Reeves et al., National Audubon Society Guide to Marine Mammals of the World (2002). ISBN 0375411410
- Carwardine, Whales, Dolphins and Porpoises (1995). ISBN 0751327816
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