ソロモンの鍵との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/17 08:48 UTC 版)
マグレガー・マサースの編纂した『ソロモンの鍵』に組み入れられたフランス語諸写本のひとつである大英図書館所蔵ランズダウン稿本1202『アルマデルによるソロモン王の真の鍵』(Les Vrais Clavicules du Roi Salomon par Armadel)には、このグリモワールのひとつのバージョンが「ソロモン王の鍵、第三之書」として含まれていた。しかしこれは次のような説明を以って『鍵』から除外された。 最後に悪霊の印章とともに『真正奥義書』からの短い抜粋があるが、それらは本来の「ソロモンの鍵」に属さないものであるため、わたしはこれを載せていない。「鍵」に分類されるのが第一之書と第二之書に限るということは歴然としているからである。 ランズダウン稿本1202は17世紀のものとされるが、後から付け足されたこの第三部と共通する内容をもつ18世紀の古文書が他にも存在する。そのひとつはウェルカム稿本4669アート2『ソロモンの鍵の包括的概論』(Traité Universal des Clavicules de Salomon、1796年)の第一部である。ランズダウン稿本1202の第三部はルシフェル、ベルゼビュート、エレストルという三人の精霊のプリンスの名を挙げ、これを図示している。ウェルカム稿本4669はエレストルへの言及が欠けているものの、同様にこの3者の図を掲載している。いずれもルシフェルの眷属はヨーロッパとアジアに住み、ベルゼビュートの配下はアメリカ大陸に住んでいるとしている。このようなデーモンと大陸の対応関係は、「ソロモンの鍵」の原形とされるギリシア語の魔術書「ソロモンの魔術論」における精霊と四方位の関係(ルシフェル=東、ベルゼブブ=南、アスタロト=西、アスモダイ=北)に由来し、後代のグリモワールではこの対応関係はしばしばまぜこぜになった。一説には、この文書が『真正奥義書』の原型であり、アリベク版の作者はエレストルをアスタロトと解釈した上でこれを『真正奥義書』の中に組み入れたとも言われる。
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