セレン化亜鉛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/04 06:56 UTC 版)
セレン化亜鉛 | |
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zinc selenide |
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別称
スチールアイト(Stilleite)
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識別情報 | |
ECHA InfoCard | 100.013.873 |
PubChem CID
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CompTox Dashboard (EPA)
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特性 | |
化学式 | ZnSe |
モル質量 | 144.35 g/mol |
外観 | 淡黄色固体 |
密度 | 5.27 g/cm3 |
融点 | 1525 °C |
水への溶解度 | 微容 |
バンドギャップ | 2.82 eV (10 °K) |
屈折率 (nD) | 2.67 (550 nm) 2.40 (10.6 µm) |
構造 | |
結晶構造 | 閃亜鉛鉱型構造(立方晶) |
格子定数 (a, b, c) | a = 566.8 pm Å |
配位構造 | 四面体形 (Zn2+) 四面体形 (Se2−) |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
-177.6 kJ/mol |
関連する物質 | |
その他の 陰イオン |
酸化亜鉛 硫化亜鉛 テルル化亜鉛 |
その他の 陽イオン |
硫化カドミウム 硫化水銀 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
セレン化亜鉛(セレンかあえん、英: zinc selenide、ジンクセレナイド)は、淡黄色の不溶性の固体である。25 °Cで2.7 eVのバンドギャップを持つ真性半導体である。標準生成エンタルピーは25 °Cで177.6 kJ/molである。結晶は閃亜鉛鉱の形をとり、格子定数はa = 566.8 pmである。天然にはほとんど存在しない。ハンス・シュティレ(Hans Stille) にちなんで名づけられたシュティレ鉱(Stilleite)という鉱物から発見された。
応用
- セレン化亜鉛は発光ダイオードや半導体レーザーを作るのに用いられ、青い光を発する。ハロゲンなどがドーピングされて、N型半導体になる。P型半導体を作るのは難しいが、窒素を導入することで達成できる。
- 0.6 μmから10 μmの広い範囲で高い透過率があり、赤外光学材料に用いられる。
- クロムをドーピングされたセレン化亜鉛は、2.5 μmの赤外線レーザーを発する[1]。
- セレン化亜鉛はセレン化水素ガスと亜鉛蒸気から微結晶シートとして作られ、耳に差し込む体温計から黄色い窓ガラスまで生活の広い範囲にも使われている。空気中の水分と徐々に反応するが、大きな問題とはならない。
- テルルをドーピングされたセレン化亜鉛は、ピークを640 nmに持つシンチレーターとなり、フォトダイオードに適する。これはX線やガンマ線の検出器として用いられている。セレン化亜鉛型の検出器は、硫化亜鉛を使ったものとかなり性質が異なる。
化学
出典
- ^ Cr2+ excitation levels in ZnSe and ZnS, G. Grebe, G. Roussos and H.-J. Schulz, J. Phys. C: Solid State Phys. vol. 9 pp. 4511-4516 (1976) doi:10.1088/0022-3719/9/24/020
セレン化亜鉛と同じ種類の言葉
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