スープキッチン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 07:32 UTC 版)
16世紀末、イギリスでは没落した農民が都市に流入しスラム街を築くようになり、1701年にエリザベス救貧法が制定され、救貧院(労役所)が設立された。救貧院の生活環境は劣悪で、食事はもっぱら何かのスープか粥だった。また、ブルジョアには近所の貧困者に施しをする社会的役割が求められ、ヴィクトリア朝の家政書には貧者に施すためのスープのレシピが記載されていた。 18世紀末、小麦の不作による貧困層の危機的な困窮対策として、警察裁判所判事であった社会改革者パトリック・コフーンはスープキッチン(炊き出し、あるいは無料食堂の意味)の設立を提案し、1804年の冬にはロンドン市内の各所で毎週5万人に対して施しのスープを供給した。ただし、教訓的な意味を込めて少額の料金を徴収した。以来、スープキッチンは21世紀の今日に至るまで世界中の災害や飢饉の現場、戦場などで設立されている。
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