退却神経症
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退却神経症(たいきゃくしんけいしょう、英: Retreat neurosis)とは、副業には専念できるが、個人に期待される社会的役割である本業からは選択的に退却し、無気力・無関心・抑うつなどを呈する神経症である。精神科医の笠原嘉により提唱された、日本独自の臨床疾患単位である[1][2]。
注釈
- ^ “プライドの高い人”とは、一般に自己評価の低い人である。だから、他人からの評価によって傷つくのである。逆にいえば、他人からの評価によって揺らぐような低い自己評価所持者が「プライドの高い人」と周囲から認識されることになる。(中井久夫 (2011) p. 146)
- ^ 笠原は、退却神経症者の語る「空しい」という感覚は、カーンバーグが「空しい」という感情を「寂しい」という感情と対比しながら語った次の言葉に近いことを指摘している。『寂しい感情とは、今まであった人間との望ましい関係が失われたときのものである。前提として、少なくとも一度は満足すべき人間関係の成立があった。また再びあの関係が欲しいと望む。それが寂しさの体験である。これに対して空しいとか無意味とかいう感情は、そもそも望ましい人間関係が構成されておらず、したがってまた他人の心情に共感できる能力にいささか難のある人のものだ。』(笠原嘉 (1988) p.110)
出典
- ^ a b 山内昭雄、今忠 他 (1997) p.4
- ^ a b c 笠原嘉 (1988) pp.8-15
- ^ 笠原嘉 (2012) pp.175-176
- ^ 樽味伸「現代社会が生む “ディスチミア親和型”」『臨床精神医学』第34巻第05号、2005年、 687-694頁。
- ^ 市橋秀夫「パーソナリティとうつ病」『Depression Frontier』第11巻第1号、2013年、 93-94頁。
- ^ 市橋秀夫「自称パーソナリティ障害をどう診立てるか」『精神科』第18巻第3号、2011年、 303-307頁。
- ^ 牛島定信 (2004) pp. 153 - 162, 219.
- ^ 広瀬徹也「「逃避型抑うつ」について」『宮本忠雄(編):躁うつ病の精神病理2』、弘文堂、東京、1977年、 61-86頁。
- ^ 笠原嘉「アパシー・シンドロームとパーソナリティ」『精神科治療学』第14巻第7号、1999年、 739-744頁。
- ^ 笠原嘉 (1988) pp.119, 212.
- ^ 笠原嘉 (1988) pp.18-84
- ^ 笠原嘉 (1988) pp.194-207
- ^ Kernberg, O. (1976). “Borderline conditions and pathological narcissism”. Aronson, New York.
- 1 退却神経症とは
- 2 退却神経症の概要
- 3 病前性格
- 4 参考文献
- 5 関連項目
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