スケーラブルなイオントラップの設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/06 08:53 UTC 版)
「イオントラップ型量子コンピュータ」の記事における「スケーラブルなイオントラップの設計」の解説
量子コンピュータは、困難な計算上の問題を解決するために、一度に多くの量子ビットを初期化、格納、および操作できる必要がある。 ただし、前述のように、計算能力を維持しながら、有限数の量子ビットを各イオントラップに格納することは容易ではない。 したがって、1つのトラップから別のトラップに情報を転送できる相互接続されたイオントラップを設計する必要がある。 イオンは、同じ相互作用領域から個々のストレージ領域に分離され、それらの内部状態に保存されている量子情報を失うことなく一緒に戻すことができる。 イオンは、丁字型接合でコーナーを曲がるように作成することもできるため、これは2次元トラップアレイ設計を可能にする。 半導体製造技術も新世代のトラップを製造するために採用されており、「チップ上のイオントラップ」を実現している。 一例は、キールピンスキー、モンロー、ワインランドによって設計された量子電荷結合素子(QCCD)である 。QCCDは、量子ビットを保存および操作するための指定された領域を持つ電極の迷路に似ている。 電極によって生成された可変電位は、特定の領域でイオンをトラップし、それらを輸送チャネルを介して移動させることができるため、単一のトラップにすべてのイオンを封じ込める必要がなくなる。 QCCDのメモリ領域のイオンは操作から分離されているため、それらの状態に含まれる情報は後で使用するために保持される。 2つのイオン状態をもつものを含むゲートは、この記事ですでに説明した方法で相互作用領域の量子ビットに適用される。
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