スケート技術と特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 10:49 UTC 版)
ジャンプ、スピン、ステップの全方位に秀でたオールラウンダーである。 ジャンプは、準備動作が少なくてもただちに跳ぶことができるのが特徴で、踏み切りから着氷後の流れまで美しく跳び幅があり、GOE(出来栄え点)加点を得るための8つの評価要素をすべて満たしている質の高さが特長。このためクリーンに跳ぶとGOE満点となる3点(現在は5点)、または満点に近い高い加点を獲得する。試合では4種類の4回転ジャンプ(トウループ、サルコウ、ループ、ルッツ)を跳ぶが、最大の武器は確実に加点のつくトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)である。質の高さに加え、踏み切り直前に「カウンター」と呼ばれる難しいターンを行ったり、両足のつま先を外側に向けたスプレッドイーグルから踏み切り、着氷後にすぐイーグルに戻ったりなど、ジャンプへの入り方や出方の難度の高さなどからも常に3 - 4点のGOEがつき、トリプルアクセルだけで確実に11点以上を稼ぐ。特に基礎点が1.1倍となる演技後半に組み込んだトリプルアクセルからの連続ジャンプは、めったにミスをしないことからも4回転以上の強力な得点源となっている。 このように、基礎点の高い高難度のジャンプ構成を成立させたうえで、各要素を確実に高い質で決めることから、高いGOE評価を獲得する。この完成度の高さが羽生の強さである。例として、世界記録を塗り替えた2015年グランプリファイナルでは20.18点の加点(当時の4回転トウループの基礎点は10.3点。つまり加点だけで4回転ジャンプ2本分の基礎点に匹敵する)を獲得している。 スピンの技術も高く、完璧にレベルを満たせばこちらも高い加点を獲得する。もともとのスピンの速さとポジションの美しさに加え、回転しながら指先や腕などを動かすことでオリジナリティーを出し、プログラムの構成難易度を上げる工夫を行っている。特に、柔軟性の高さを生かしたビールマンスピンやドーナツスピンなどを積極的に演技に取り入れている。ハイドロブレーディング 、イナバウアー も得意で、多くのプログラムに入れている。
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