スイッチトキャパシタ回路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 06:20 UTC 版)
「電圧ダブラ」の記事における「スイッチトキャパシタ回路」の解説
上記の単純なダイオードコンデンサ回路を使用して、電圧ダブラの前にチョッパ回路を配置することでDC電源の電圧を2倍にすることができる。実際、これによりDCをACに変換してから電圧ダブラに印加する。スイッチングデバイスを外部のクロックから駆動することでより効率的な回路を構築することができ、チョッピングと電圧を倍にする機能を同時に実現することができる。このような回路はスイッチトキャパシタ回路として知られる。このアプローチは、集積回路がバッテリーが供給できるよりも高い電圧を供給する必要がある低電圧バッテリー駆動の用途で特に役に立つ。多くの場合、クロック信号は集積回路上で簡単に利用でき、それを生成するための追加する回路はほとんどまたはまったく必要ない。 概念的には、おそらく最も単純なスイッチトキャパシタの較正は図5で概略的に示されるものである。ここでは2つのコンデンサが並列で同じ電圧により同時に充電される。その後、電源が切られコンデンサが直列に切り替えられる。出力は直列に接続された2つのコンデンサから得られるため、出力は電源電圧の2倍になる。このような回路で使用できるスイッチングデバイスは多くの異なるものがあるが、集積回路においてはMOSFETデバイスが頻繁に使用される。 他の基本的な概念はチャージポンプである。図6に概略図を示す。最初にチャージポンプコンデンサCPが入力電圧により充電される。その後、入力電圧と直列に出力コンデンサCOを充電するように切り替えられ、結果的にCOが入力電圧の2倍に充電される。チャージポンプがCOを充電するまでに数サイクルかかる場合があるが、定常状態になった後はCPはCOから負荷に供給されているのと同等の少量の電荷をポンプするだけで十分である。COがチャージポンプから切断されている間、部分的に負荷に放電され、出力電圧にリップルが発生する。このリップルは放電時間が短いため、クロック周波数が高いほど小さくなり、フィルタリングも簡単になる。あるいは、所与のリップル仕様に対してコンデンサを小さくすることができる。集積回路の実際の最大クロック周波数は通常数百キロヘルツである。
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