ジョージベンソンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 音楽家 > 歌手 > アメリカ合衆国の歌手 > ジョージベンソンの意味・解説 

ジョージ・ベンソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/01 00:05 UTC 版)

ジョージ・ベンソン
George Benson
ジョージ・ベンソン(2009年)
基本情報
生誕 (1943-03-22) 1943年3月22日(82歳)
出身地 アメリカ合衆国 ペンシルベニア州ピッツバーグ
ジャンル ジャズフュージョンポップ・ミュージッククロスオーバー、ソウル・ジャズ
職業 ミュージシャン歌手ソングライター
担当楽器 ギターボーカル
活動期間 1954年 -
レーベル プレスティッジコロムビアヴァーヴA&MCTI、ワーナー、GRPコンコード、マスコット
共同作業者 ジャック・マクダフ、ドクター・ロニー・スミス、フューズ・ワン
公式サイト www.georgebenson.com
著名使用楽器
Ibanez GB10 Signature Model
Ibanez GB200 Signature Model

ジョージ・ベンソンGeorge Benson1943年3月22日 - )は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグ出身のジャズギタリスト歌手

バイオグラフィ

幼少の頃よりプロの道を目指す。1963年、ジャック・マクダフ(ブラザー・ジャック・マクダフ)のバンドに加入[1]。初期のベンソンは、泥臭いソウル・ジャズを演奏していた。1964年、マクダフのサポートを得て、『ザ・ニュー・ボス・ギター・オブ・ジョージ・ベンソン』でバンド・リーダーとしてもデビューする。1968年には、マイルス・デイヴィスの初のエレクトリック・ジャズ・アルバム『マイルス・イン・ザ・スカイ』のレコーディングに参加。

ソウル・ジャズ時代に、彼はロニー・スミスとも共演した。[2]ジャズ・ギターの演奏スタイルは、ウェス・モンゴメリージョー・パスらの影響がうかがえる。初期のソウル・ジャズから、1970年代後半にはフュージョン系に転じた。1976年にワーナー・ブラザース・レコードに移籍、この年に発表したアルバム『ブリージン』はプロデューサーにトミー・リピューマを迎え、彼の代表作となるほどにヒットした。このアルバムに収録されたシングル「マスカレード (This Masquerade)」はポップ・チャートでもヒットした。[3]以後ボーカル曲も積極的に取り入れた。

1980年の『ギヴ・ミー・ザ・ナイト』ではクインシー・ジョーンズを制作に迎え、シングル「ギヴ・ミー・ザ・ナイト」をヒットさせた。[4]さらにアレサ・フランクリンとのデュエット曲「Love All The Hurt Away」(1981年のアルバム『想い出の旅路』に収録)や、シングル「ターン・ユア・ラブ (Turn Your Love Around)」(1982年)をヒットさせた。やがてベンソンはカシーフと組んで、ダンサブルなブラコンのシングルも発表し、ブラック・コンテンポラリーの有名歌手の一人となった。彼は1980年代には「レイディ・ラヴ・ミー」「シヴァー」「キッセズ・イン・ザ・ムーンライト」などもヒットさせている。アルバム20/20(1984年)等、歌手に特化したアルバムも発売した。1984年には、シングル「Nothing's Gonna Change My Love for You」(変わらぬ想い)をリリースしている。

1994年に「ターン・ユア・ラブ (Turn Your Love Around)」をサンプリングしたEAST END×YURIの『DA.YO.NE』が日本で流行したが、作曲者のビル・チャンプリンらの許可を得ずに使用していた。彼らは使用料の支払いで和解している。

1996年よりGRPレコードに所属。2006年にはコンコード・レコードのモンスター・ミュージックに移り、アル・ジャロウとの共作『ギヴィン・イット・アップ』を発表。2009年には音楽活動をほぼ停止していた、スモーキー・ロビンソンビル・ウィザースらを作曲陣に迎え、『ソングス・アンド・ストーリーズ』を発表。バック・ミュージシャンも活動を停止したTOTOの主要メンバー等豪華なメンバーを取り揃えている。

逆アングルによる正確無比かつ高速のフルピッキング、ギターによる流麗なフレージング、ウェス・モンゴメリーの系譜を受け継ぐオクターヴ奏法とその発展形であるオクターヴ+五度奏法、洗練されたフュージョン・サウンドなどが特徴である。奏法にはジャンゴ・ラインハルト[5]や、ウェス・モンゴメリーらの影響が見られる。歌詞のない即興の歌唱であるスキャット[6]を得意としている。ギターソロとスキャットをシンクロさせている。ノーマン・ブラウンをはじめ若手ギタリストに、そのスタイルのフォロワーが存在する。ベーシストでは、ネイザン・イーストリチャード・ボナにベンソン流儀のソロ&スキャットの影響がうかがえる。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

  • ザ・ニュー・ボス・ギター・オブ・ジョージ・ベンソン』 - The New Boss Guitar of George Benson (1964年、Prestige) ※with the Brother Jack McDuff Quartet
  • 『イッツ・アップタウン』 - It's Uptown (1966年、Columbia) ※The George Benson Quartet名義
  • 『ザ・ジョージ・ベンソン・クックブック』 - The George Benson Cookbook (1967年、Columbia) ※The George Benson Quartet名義
  • 『ジブレット・グレイヴィ』 - Giblet Gravy (1968年、Verve)
  • 『シェイプ・オブ・シングス・トゥ・カム』 - Shape of Things to Come (1968年、A&M)
  • 『グッディーズ』 - Goodies (1968年、Verve)
  • 『テル・イット・ライク・イット・イズ』 - Tell It Like It Is (1969年、A&M)
  • アビイ・ロード』 - The Other Side of Abbey Road (1970年、A&M)
  • 『ビヨンド・ザ・ブルー・ホライゾン』 - Beyond the Blue Horizon (1971年、CTI) ※旧邦題『青い地平線』
  • 『ホワイト・ラビット』 - White Rabbit (1972年、CTI)
  • 『ボディ・トーク』 - Body Talk (1973年、CTI)
  • 『バッド・ベンソン』 - Bad Benson (1974年、CTI) ※1976年に『Take Five』として再発
  • 『グッド・キング・バッド』 - Good King Bad (1976年、CTI) ※1982年に『Cast Your Fate to the Wind』として再発
  • 『ベンソン&ファレル』 - Benson & Farrell (1976年、CTI) ※with ジョー・ファレル
  • ブリージン』 - Breezin' (1976年、Warner Bros.)
  • 『イン・フライト』 - In Flight (1977年、Warner Bros.)
  • 『インサイド・ユア・ラヴ』 - Livin' Inside Your Love (1979年、Warner Bros.)
  • 『ギヴ・ミー・ザ・ナイト』 - Give Me the Night (1980年、Warner Bros.)
  • 『ユア・アイズ』 - In Your Eyes (1983年、Warner Bros.)
  • 『パシフィック・ファイアー』 - Pacific Fire (1983年、CTI) ※1975年録音
  • 『アイ・ガット・ア・ウーマン』 - I Got a Woman and Some Blues (1984年、A&M) ※1969年録音
  • 『20 / 20 (トゥエニイ・トゥエニイ)』 - 20/20 (1984年、Warner Bros.)
  • 『ホワイル・ザ・シティ・スリープス…』 - While the City Sleeps... (1986年、Warner Bros.)
  • コラボレーション』 - Collaboration (1987年、Warner Bros.) ※with アール・クルー
  • 『トゥワイス・ザ・ラヴ』 - Twice the Love (1988年、Warner Bros.)
  • テンダリー』 - Tenderly (1989年、Warner Bros.)
  • 『ビッグ・ボス・バンド』 - Big Boss Band (1990年、Warner Bros.) ※with カウント・ベイシー・オーケストラ
  • 『コーリング・ユー』 - Love Remembers (1993年、Warner Bros.)
  • 『ザッツ・ライト』 - That's Right (1996年、GRP)
  • 『スタンディング・トゥゲザー』 - Standing Together (1998年、GRP)
  • 『アブソルート・ベンソン』 - Absolute Benson (2000年、GRP)
  • 『イリプレイサブル』 - Irreplaceable (2003年、GRP)
  • 『ギヴィン・イット・アップ』 - Givin' It Up (2006年、Concord) ※with アル・ジャロウ
  • 『ソングス・アンド・ストーリーズ』 - Songs and Stories (2009年、Concord)
  • 『ギター・マン』 - Guitar Man (2011年、Concord)
  • 『キング・コールを歌う』 - Inspiration: A Tribute to Nat King Cole (2013年、Concord)
  • Walking to New Orleans (2019年、Provogue)

ライブ・アルバム

  • 『サマータイム2001』 - In Concert-Carnegie Hall (1975年、CTI)
  • 『メローなロスの週末 (ライヴ)』 - Weekend in L.A. (1978年、Warner Bros.) ※1977年録音
  • 『ジャズ・オン・ナ・サンデイ・アフタヌーン VOL.1』 - Jazz on a Sunday Afternoon Vol. I (1981年、Accord) ※1973年録音
  • 『ジャズ・オン・ナ・サンデイ・アフタヌーン VOL.2』 - Jazz on a Sunday Afternoon Vol. II (1981年、Accord) ※1973年録音
  • Jazz on a Sunday Afternoon Vol. III (1982年、Accord) ※1973年録音
  • 'Round Midnight (1989年、Jazz Door) ※with マッコイ・タイナー
  • Best of George Benson Live (2005年、GRP) ※2000年録音
  • Live from Montreux (2007年、IMC) ※1986年録音
  • Weekend In London (2020年、Provogue) ※2019年録音

顕彰

タイトル 年度 部門
"This Masquerade" 1976 Record of the Year
"Breezin'" 1976 Best Pop Instrumental Performance
"Theme from Good King Bad" 1976 Best Rhythm & Blues Instrumental Performance
"On Broadway" 1978 Best R&B Vocal Performance, Male
"Give Me the Night" 1980 Best R&B Vocal Performance, Male
"Off Broadway" 1980 Best R&B Instrumental Performance
"Moody's Mood" 1980 Best Jazz Vocal Performance
"Being with You" 1983 Best Pop Instrumental Performance

日本公演

書籍/自伝

  • 『ジョージ・ベンソン自伝』 アラン・ゴールドシャー共著(原書は2014年に出版)
野口結加訳、論創社、2024年。ISBN 978-4846023478

関連項目

脚注

  1. ^ Before Broadway: George Benson In The 1960s
  2. ^ Lonnie Smith allmusic 2025年5月1日閲覧
  3. ^ ビルボード年間トップ100ヒッツ p.101
  4. ^ ビルボード年間トップ100ヒッツ p.122
  5. ^ マイナー・スイング、ジプシー・スイングで有名な、指にハンデを持っていたギタリスト
  6. ^ サッチモやダニエル・リカーリ、日本の伊集加代子らが有名である
  7. ^ George Benson / ジョージ・ベンソン | Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン | Warner Music Japan. 2019年6月8日閲覧。

外部リンク





固有名詞の分類

アメリカ合衆国の歌手 リタ・フォード  ジョニー・マティス  ジョージ・ベンソン  マシュー・キイチ・ヒーフィー  バディ・ホリー
アフリカ系アメリカ人のミュージシャン ソニー・レッド  ジョニー・マティス  ジョージ・ベンソン  ヤング・バック  ジョージ・ルイス
グラミー賞受賞者 ピーボ・ブライソン  ジェリー・ヘイ  ジョージ・ベンソン  ローリング・ストーンズ  オードリー・ヘプバーン
アメリカ合衆国のギタリスト フランク・ザッパ  リタ・フォード  ジョージ・ベンソン  マシュー・キイチ・ヒーフィー  ジョニー・コーラ
ジャズ・ミュージシャン トッパー・ヒードン  マイク・マイニエリ  ジョージ・ベンソン  ディジー・リース  アルトゥーロ・サンドヴァル
アメリカ合衆国のジャズ・ミュージシャン ベイビー・フェイス・ウィレット  ジェリー・ヘイ  ジョージ・ベンソン  ポール・デスモンド  ジョン・コルトレーン
フュージョン・ミュージシャン マイク・マイニエリ  ジェリー・ヘイ  ジョージ・ベンソン  アコースティック・アルケミー  デヴィッド・スピノザ

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ジョージベンソン」の関連用語

ジョージベンソンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ジョージベンソンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジョージ・ベンソン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS