ジョン・ロッカーとは? わかりやすく解説

ジョン・ロッカー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/19 05:21 UTC 版)

ジョン・ロッカー
John Rocker
2014年
基本情報
国籍 アメリカ合衆国
出身地 ジョージア州ステイツボロ
生年月日 (1974-10-17) 1974年10月17日(50歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
225 lb =約102.1 kg
選手情報
投球・打席 左投右打
ポジション 投手
プロ入り 1993年 ドラフト18巡目
初出場 1998年5月5日
最終出場 2003年5月14日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ジョン・ロイ・ロッカーJohn Loy Rocker, 1974年10月17日 - )は、アメリカ合衆国ジョージア州ステイツボロ出身の元プロ野球選手(投手)。

経歴

プロ入りとブレーブス時代

1993年のMLBドラフトアトランタ・ブレーブスから18巡目に指名を受け入団。

1998年5月5日ロサンゼルス・ドジャース戦でメジャーデビュー。主にセットアッパーとして起用され、1勝3敗2セーブ・防御率2.13、38イニングで42奪三振を記録した。ポストシーズンでもロースター入りを果たし、サンディエゴ・パドレスとのリーグチャンピオンシップシリーズでは全試合に登板し無失点に抑えたが[1]、チームは2勝4敗で敗退した。

1999年は前年30セーブを挙げたケリー・ライテンバーグの故障によりクローザーを務め、4勝5敗38セーブ・防御率2.49、72.1イニングで104奪三振を記録し、チームの地区優勝に貢献。ニューヨーク・メッツとのリーグチャンピオンシップシリーズでは前年に続いて全試合に登板し[1]、チームは3年ぶりにリーグ優勝を果たす。ニューヨーク・ヤンキースとのワールドシリーズでも2試合に投げ無失点に抑えたが、チームは4連敗で敗退した。

2000年は問題発言(後述)の影響もあって前半戦は防御率4.62、25.1イニングで34四球と不調だったが、後半戦で防御率1.30[2]と復調し、シーズン通算で1勝2敗24セーブ・防御率2.89を記録した。セントルイス・カージナルスとのディビジョンシリーズでは1試合に登板したが、チームは3連敗で敗退した。

2001年は15連続セーブを記録[3]する。

インディアンス時代

2001年6月22日に2選手との交換トレードで、1選手とともにクリーブランド・インディアンスに移籍。

移籍後もクローザーを務めたが不調が続いて配置転換される。移籍後は3勝7敗4セーブ・防御率5.45に終わり、シーズン通算で5勝9敗23セーブの成績だった。チームは地区優勝を果たし、シアトル・マリナーズとのディビジョンシリーズでは1試合に登板するが、チームは2勝3敗で敗退。

レンジャーズ時代

2001年12月18日にトレードでテキサス・レンジャーズに移籍。

2002年は開幕からクローザーを務めるが不調で配置転換された。2勝3敗1セーブ・防御率6.66と不安定でマイナーに降格し、10月3日に解雇。同年ホラー映画殺戮職人芝刈男』に出演し、「銀幕デビュー」を果たした。

レイズ時代

2003年4月10日タンパベイ・デビルレイズと契約するが、2試合の登板のみで6月27日に解雇された。

独立リーグ時代

2005年独立リーグアトランティック・リーグロングアイランド・ダックスと契約するが、2敗・防御率6.50、18イニングで28四球と不調で解雇され、現役引退。

引退後

引退後は、テレビのバラエティ番組に出演の傍らチャリティー活動も行っている。テレビ番組のイベントで出会ったモデルと結婚。

2016年には同年のアメリカ合衆国大統領選挙ドナルド・トランプを支持する[4]

人物

問題発言

2000年1月号のスポーツ・イラストレイテッド誌で、当時のメッツ本拠地シェイ・スタジアムに向かうニューヨーク市地下鉄7号線について、こう発言した。

まるでベイルートにでもいるような気分になる。隣のガキは髪を紫に染め、また隣にはエイズ患者。さらに隣には4度目の出所を終えたばかりのヤツがいて、その横には20歳で4人の子持ちの母がいる。

この発言の背景には、前年のリーグチャンピオンシップシリーズ第5戦で、メッツファンにバッテリーを投げつけられたことに対する不満があるのだが、もちろんニューヨーク市民は激怒。それに対して再度応酬し、「(シェイ・スタジアムに行くのに)タクシーやバスは使わず、地下鉄7号線に乗るつもり。今から楽しみだ。(暴漢に襲われて負傷して)病院に行く準備もしていくよ。」と発言。市民の怒りは頂点に達したが、ここで当時のニューヨーク市長ルドルフ・ジュリアーニが、大リーグコミッショナー事務局に、ロッカーの地下鉄利用を止めさせるよう連絡するとともに、市民に「彼に対して怒る権利はあるが、決して危害を加えないように。球場の内外を問わず、彼に危害を加えようとする者は容赦なく犯罪者として逮捕する。」と発言し、自制を求めた。更に同僚のランドール・サイモンに「太った猿」と暴言を吐いたことも明らかになった。

一連の騒動で、開幕から28試合(のちに14試合に軽減)の出場停止処分と減俸処分を受けた。6月29日に騒動後初めて敵地でのメッツ戦が行われ、46,987人の観客が詰めかけた。通常60人程度配備している警官を700人に増員し、万一に備えた。場内のビールは売り切れ、ブレーブスのブルペンにはカバーがかけられた。8回に登板した際にファンから「クソッタレ!」等の激しい野次が飛ばされる(無論「クソッタレ」程度は生易しい方である)が平然とマウンドに向かい、3者凡退に打ち取った。試合はブレーブスが勝利し、試合後は3台の護衛がついた黒いバンに乗り込んで球場を後にした。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
1998 ATL 47 0 0 0 0 1 3 2 -- .250 156 38.0 22 4 22 4 3 42 6 0 10 9 2.13 1.16
1999 74 0 0 0 0 4 5 38 -- .444 301 72.1 47 5 37 4 1 104 7 0 24 20 2.49 1.16
2000 59 0 0 0 0 1 2 24 -- .333 251 53.0 42 5 48 4 2 77 5 2 25 17 2.89 1.70
2001 30 0 0 0 0 2 2 19 -- .500 135 32.0 25 2 16 1 2 36 5 0 13 11 3.09 1.28
CLE 38 0 0 0 0 3 7 4 -- .300 165 34.2 33 2 25 3 3 43 6 2 23 21 5.45 1.67
'01計 68 0 0 0 0 5 9 23 -- .357 300 66.2 58 4 41 4 5 79 11 2 36 32 4.32 1.49
2002 TEX 30 0 0 0 0 2 3 1 -- .400 114 24.1 29 5 13 1 0 30 0 0 19 18 6.66 1.73
2003 TB 2 0 0 0 0 0 0 0 -- -- 8 1.0 2 0 3 0 1 0 0 0 1 1 9.00 5.00
通算:6年 280 0 0 0 0 13 22 88 -- .371 1130 255.1 200 23 164 17 12 332 29 4 115 97 3.42 1.43

背番号

  • 49 (1998年 - 2002年)
  • 48 (2003年)

脚注

  1. ^ a b Postseason Pitching Gamelogs” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年3月23日閲覧。
  2. ^ 2000 Pitching Splits” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年3月23日閲覧。
  3. ^ 2001 Pitching Gamelogs” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年3月23日閲覧。
  4. ^ Slugger 2016年9月号

関連項目

外部リンク





固有名詞の分類

アメリカ合衆国の野球選手 ブラッド・ボイルズ  ジャック・マキーオン  ジョン・ロッカー  ドク・ホワイト  ウェイン・ケージ
クリーブランド・インディアンスの選手 ラリー・ドビー  ドワイト・グッデン  ジョン・ロッカー  ウェイン・ケージ  ジョニー・ヴァンダー・ミーア
アトランタ・ブレーブスの選手 マーカス・ジャイルズ  ビック・ウィリス  ジョン・ロッカー  ブレット・ブーン  エド・アッバティッチオ
テキサス・レンジャーズ及びその前身球団の選手 ジョン・コロンカ  ライアン・グリン  ジョン・ロッカー  マーク・デローサ  マーロン・バード
タンパベイ・レイズ及びタンパベイ・デビルレイズの選手 デーモン・ホリンズ  ドワイト・グッデン  ジョン・ロッカー  ホセ・クルーズ・ジュニア  ジョン・スウィッツァー
ミッチェル報告書に記載された選手 ケビン・ブラウン  ミゲル・テハダ  ジョン・ロッカー  エリック・ガニエ  ポール・バード

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