硫酸ジエチル
硫酸ジエチル
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/11 17:03 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動| 硫酸ジエチル Diethyl sulfate |
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別称
ジエチル硫酸
ジエチルスルファート |
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| 識別情報 | |
| CAS登録番号 | 64-67-5 |
| PubChem | 6163 |
| ChemSpider | 5931 |
| KEGG | C14706 |
| ChEMBL | CHEMBL163100 |
| RTECS番号 | WS7875000 |
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| 特性 | |
| 化学式 | C4H10O4S |
| モル質量 | 154.18 g mol−1 |
| 外観 | 無色の油状液体 |
| 匂い | ペパーミント臭[1] |
| 密度 | 1.2 g/mL |
| 融点 | -25 °C, 248 K, -13 °F |
| 沸点 | 209 °C, 482 K, 408 °F (分解) |
| 水への溶解度 | 0.7g/100mL[1] |
| その他の溶剤への溶解度 | エタノール、ジエチルエーテルに混和[1] |
| 危険性 | |
| EU分類 | Toxic (T) Carc. Cat. 2 Muta. Cat. 2 |
| NFPA 704 | |
| Rフレーズ | R45 R46 R20/21/22 R34 |
| Sフレーズ | S53 S45 |
| 引火点 | 104 °C (219 °F) |
| 発火点 | 436 °C (817 °F)[3] |
| 半数致死量 LD50 | 647 mg/kg(マウス経口)[2] |
| 関連する物質 | |
| 関連物質 | 硫酸ジメチル 亜硫酸ジエチル |
| 特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 | |
硫酸ジエチル(りゅうさんジエチル、英: Diethyl sulfate)は硫酸エステルの一種で、高い毒性と発癌性を持つ[4]有機化合物。ペパーミント臭のある無色の液体で、化学式はC4H10O4S。アルキル化剤として、フェノール類やアミン、チオール等にエチル基を導入する際に用いられる。
安全性
強力なエチル化作用を持ち、DNAをエチル化する。動物実験では発癌性が確認され、ヒトに対しても発癌性があると考えられている。国際がん研究機関ではIARC Group2Aと評価している[2]。日本の消防法では危険物第4類・第3石油類に該当する。毒物及び劇物取締法では劇物、船舶安全法や航空法では毒物としての扱いを受ける[1]。ウサギを用いた動物実験では、眼および皮膚に対し、壊死を含む重篤な腐食性が確認された[2]。水生生物には有害であるが、急速分解性があり生物蓄積性は低い[1]。
用途
有機合成化学において強力なエチル化剤として、医薬品・染料・農薬・界面活性剤(第4級アンモニウム塩)の原料・中間体として使用される[1]。
脚注
参考文献
- Buck, J. R. Park, M.; Wang, Z.; Prudhomme, D. R.; Rizzo, C. J.. “9-Ethyl-3,6-Dimethylcarbazole (DMECZ)”. Organic Syntheses 77: 153.
- Shammi Theodore and P.S.T. Sai (2001). “Esterification of Ethanol with Sulfuric Acid: A Kinetic Study”. Canadian Journal of Chemical Engineering 79: 54. doi:10.1002/cjce.5450790109.
外部リンク
- ジエチル=スルファートのページへのリンク
