シルバーバーチの霊訓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 14:23 UTC 版)
「モーリス・バーバネル」の記事における「シルバーバーチの霊訓」の解説
近代心霊主義では、個性を持って独立した死者の霊とコミュニケーション、いわゆる「霊界通信」が可能であると考えられていた。霊媒ウィリアム・ステイントン・モーゼスが霊の「教説」を「自動筆記」でまとめた書籍が『霊訓』であり、心霊主義のバイブルと評された。モーリス・バーバネルが、トランス状態で覚醒時とは別の人格・知性によって口頭で、質疑応答を交えて示された思想(自動筆記ではない)をまとめたものも「霊訓」と呼ばれている。この覚醒時とは別の人格がシルバーバーチ(英: Silver Birch)を名乗る霊であり、三千年前に北米北西部の山脈の中で暮らしていたレッドインディアン(アメリカ・インディアン、アメリカ先住民)であったと誤解されがちだが、シルバーバーチ本人は、インディアンの身体を(霊界側の霊媒として)使用してはいるが、自分はインディアンではないと述べている。その背後には高度に進歩した霊的存在者たちがいて、その教えも説いている、と解釈されている。シルバーバーチは、英語でシラカンバの意味。(以降便宜的に、シルバーバーチを名乗る知性による意見・見解の主語は、シルバーバーチとする。)意識的な人格以外の「知性」が語ったりつづったりするとされる「霊界通信」は、一般的に意識的な人格(霊媒)より筆記や発話の速度や完成度が高いことが特徴であるが、シルバーバーチの場合も同様であったといわれ、速記やテープからおこして、補筆訂正の必要がほとんどなかったという。シルバーバーチは、霊界通信は霊が霊媒の潜在意識を使って送るものであり、理想的な状態なら完全に霊の考えを述べることができるが、ある程度は霊媒の潜在意識によって内容が脚色されることは避けられないと述べている。このような霊と霊媒の間の機構を「潜在意識」の一言で取りまとめる説明は、近代心霊主義においても最も単純な部類である。シルバーバーチは、聖書や神学を引用して聖職者と論争したり、霊媒の潜在意識か独立した知性かという問いに、皮肉交じりに譲歩的な応答をしている。
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