シャーロック・ホームズとエルロック・ショルメ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:14 UTC 版)
「アルセーヌ・ルパン」の記事における「シャーロック・ホームズとエルロック・ショルメ」の解説
原作者の扱い 『怪盗紳士ルパン』の中の短篇「遅かりしシャーロック・ホームズ」では、かの名探偵シャーロック・ホームズと対決させたが、コナン・ドイルの厳重な抗議にあったため(という説があるが定かではない。詳細はルパン対ホームズを参照)、ルブランは「遅かりしシャーロック・ホームズ」を含め次の『ルパン対ホームズ』(日本語題)以下一連の作品ではホームズの名前をアナグラムにした「Herlock Sholmès(フランス語の発音エルロック・ショルメ)」という別人にした。またワトスンはウィルソンという別人にした。 日本語訳での扱い 保篠龍緒訳の大正期や昭和戦前の訳書では、ヘルロック・ショルムズであり、ウィルソンである。又、住所もパーカー街二百十九番地(街に「まち」と振り仮名)となって居る。大人向けの訳書の戦後版はシャーロク・ホームズとワトソンに改められたが、戦後になって刊行された保篠名義の児童書『怪人対巨人』では、ヘルロック・ショルムズとウィルソンとでありバーカー街二百十九番地となっていた。一方『奇巌城』ではシャーロック・ホームズとなって居た。後に、前者の訳題も『ルパン対ホームズ』となり、総てシャーロック・ホームズとワトソンとに統一された。 古くから日本の翻訳では、訳者が著作権者に無断でエルロック・ショルメをホームズの名に替えてきた。ただしウィルソンはそのままでワトスンにはしないものとワトソンにしているものとがある。現在でもこれは慣習となっていて、日本で出版されているルパンシリーズの「ショルメ」はほとんど「ホームズ」に改変されている。改変されていないものでは、フランス語の発音も英語の発音(「ハーロック・ショームズ(若しくはショーミーズ)」となるはず)も無視し、エルロック・ショルメスと翻訳されている場合が多い。。 曽根元吉訳『奇巌城』では、ハーロック・ショーメズとしている。 ジョルジュ・デクリエール主演のフランスの人気ドラマ『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン』の中の一篇が日本でDVDソフト化された際も、劇中のセリフ及び表記がエルロック・ショルメスとウィルソンでありながら、字幕はシャーロック・ホームズとワトソンになっていて、タイトルも『ルパン対ホームズ』だった。 森田崇による漫画化作品『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』では、英語発音に合わせて「ハーロック・ショームズ」と表記されている。ウィルソンはそのまま。
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