シャーマンとしての分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/07 04:53 UTC 版)
堀一郎によれば、シャーマニズムとシャーマンの概念は学者によって異なる定義づけがなされ、諸学者間に一致した見解は現状もたれていない。桜井徳太郎もこれと同様のことを述べている。そこで、本節ではユタが成巫過程とトランス状態の内容面から見た場合、どのように分類されるかを以下にあげる。 その成巫過程から見た場合、ユタは召命型シャーマンとされる。召命型シャーマンとは、ある日突然に神霊が憑依し、その召命によって入巫するシャーマンである。これに対しイタコなどは師巫に弟子入りし、修行の後、神憑けのイニシエーションを経て一人前の成巫になる修行(学習)型シャーマンと言える。桜井徳太郎は、シャーマンになるための入巫動機が、生計を立てるためとか、世襲継承の原理に基づくとかにあるのではなく、心身異常の巫病に罹り、苦悩のすえ神霊の召命を受けてそれを克服し、ついにシャーマンへと成巫する、という過程が最も自然なシャーマン的プロセスであるとするなら、沖縄のシャーマンはその典型的タイプであると述べている。 トランス状態の内容面から見た場合、ユタはポゼッション型(憑依型)シャーマンとされる。佐々木宏幹は、マッカロック(J.A.MacCulloch)、エリアーデ、ファース(Raymond Firth)のシャーマンの規定が「トランス状態になり得る人物である」と言う点で一致していることに着目し、トランスの内容からシャーマンの霊魂が体の外にでるエクスタシー型(脱魂もしくは脱我型)と、外部の精霊がシャーマンの肉体に憑依するポゼッション型(憑依型)に分類した。この分類では、ユタは典型的なポゼッション型シャーマンであると佐々木宏幹は述べている。
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