シオニズムとユダヤ人観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 23:55 UTC 版)
「アーサー・バルフォア」の記事における「シオニズムとユダヤ人観」の解説
バルフォアはイギリス政府のシオニズム支援を約束したバルフォア宣言で知られる。どんなことにも常に距離を置いて冷めた目で見るバルフォアが例外的に熱心に取り組んだのがシオニズムだった。バルフォア自身も死の直前に「私の生涯の全仕事で最も価値があったのは、ユダヤ人の為にした仕事だったように思う」と語っている。 バルフォアがシオニズムを支持するようになったのはシオニズム運動指導者のハイム・ヴァイツマンに感銘を受けたからだった。ヴァイツマンは魅力ある人物であり、バルフォアのみならず、チャーチルやロイド・ジョージなど他の英国主要政治家も次々とシオニズム支持者にした人物だった。バルフォアはもともと「ユダヤ人国家」を餌にユダヤ人をウガンダに移民させて大英帝国によるウガンダ植民地化の尖兵にしようというジョゼフ・チェンバレンの英領ウガンダ計画を支持していたため、1906年にはウガンダ移民計画を拒否したヴァイツマンを叱責したことがあったが、ヴァイツマンから熱心な説得を受けて、シオニズムを支持するようになった。バルフォアは「彼と会ってユダヤ人の愛国心は独特なものだと知った。彼らの国への愛はウガンダがどうのこうのなどという物ではなかった」と述べている。 バルフォアのユダヤ人観は一定しない。「改宗しないユダヤ人は宗教と伝統を守る人々である。したがって国際政治における保守勢力である」「ユダヤ人は5世紀のギリシャ人以来、人類で最も才能に恵まれた民族だと思う」と評価する一方で「ボルシェヴィキの黒幕はユダヤ人であり、文明世界を転覆しようとしている」という考えを紹介したこともあった。同じく「反セム主義は俗悪だ」と語る一方で自身はユダヤ人と休日を共にすることを嫌がっていた。
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