コマチグモ刺咬症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/24 05:40 UTC 版)
「カバキコマチグモ」の記事における「コマチグモ刺咬症」の解説
コマチグモ属は世界で約160種が知られているが、コマチグモ刺咬症(chiracantism)の原因種としては、カバキコマチグモの他にヨーロッパのC. mildeiとC. punctorium、アメリカのC. inclusum、アフリカのC. lawrenceiのほか、C. diversum、C. brevicalcatumなどが知られている。 産卵・育児期に巣を守るメスは攻撃性が高くなり、不用意に巣を壊して咬まれることがある。また、交尾期に人家に紛れ込んだオスに咬まれることもある。このため、症例は交尾期の6月から産卵期の8月に集中する。症状は、針でえぐられるような激痛と持続的な痛みと点状出血で、重症化すると発熱、頭痛、悪心、呼吸困難、食欲減退、稀にショック症状を呈する。一般的な鎮痛薬が効かず、麻酔によって痛みを軽減できたとする症例報告もある。症状は通常2-3日間、一部は2週間も続くことがある。 クモ毒の成分は複雑で、クモ刺咬症の疫学的には「神経毒」と「組織毒(壊死毒)」に分類される。コマチグモ属の毒素は神経毒に該当し、分子量6万3千程度のタンパク質と見られる。毒液には獲物を麻痺させるための神経毒以外にカテコールアミン、セロトニンを含み、これが激しい痛みの原因となる。そのほかにヒスタミン、スペルミンなどを含む。
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