コットン・フランネル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 08:19 UTC 版)
コットン・フランネル(Cotton flannelまたはCanton flannel)は綿ネルとも呼ばれ、片面だけ毛羽立ちされた丈夫な綿の織物である。 日本には「紀州ネル」と通称された綿ネルがあった。明治初期に洋式軍制を取り入れた紀州藩は、軍装品の必要から、軍服の下着用としてフランネルを真似た綿ネルの製造を始めた。同藩では以前から、弱く撚った太い綿糸である紋羽糸で紡織して、起毛加工して道中着、股引、胴着、頭巾、襟巻、足袋、帯芯などに用いる「紋羽(もんぱ)」と呼ばれる木綿織物が紀州特産として、当時の防寒用繊維素材として生産されており、この在来技術を改良して「毛出し木綿」とよばれる綿ネルを考案、和歌山県の殖産興業品として生産された。丈夫で軽く保温性があることから「紀州ネル」と呼ばれ全国に知られたが、その後衰退し、現在ではほとんど作られていない。明治19年には、伊予木綿で知られた愛媛の主力企業「興業舎」の矢野七三郎が和歌山で紀州ネルの技術を学び、今治市で「伊予ネル」の製造を始めた。
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