ゲーリュオーンの牛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 08:32 UTC 版)
「ヘーラクレース」の記事における「ゲーリュオーンの牛」の解説
ゲーリュオーンの飼う紅い牛を求めるのだが、ゲーリュオーンは、メドゥーサがペルセウスに殺されたときに血潮とともに飛び出したクリューサーオールの息子で、大洋オーケアノスの西の果てに浮かぶ島エリュテイアに住んでおり、常人は行き着くことができなかった。 アフリカに行き着いたヘーラクレースが太陽の熱気に怒り、太陽神ヘーリオスに矢を射掛けたため、ヘーリオスは、その剛気を嘉して黄金の盃を与えた。別の説では、ヘーラクレースは矢で太陽を射落としてみせ、ヘーリオスに無理矢理黄金の盃を貸させた。ヘーラクレースは盃に乗ってオーケアノスを渡ることができた。 エリュテイアでは双頭の犬オルトロスが牛を守っていたが、ヘーラクレースはオルトロスや牛の番人エウリュティオーンを棍棒で打ち殺して、紅い牛とともに牛の群れを奪った。そして牛を奪い返さんと追ってきたゲーリュオーンを射殺した。 ヘーラクレースは冒険の途次、ジブラルタル海峡を通過した際に海峡の両岸に「ヘラクレスの柱」を残した。また、登るのが面倒な高い山脈を叩き割って大陸であった場所に海峡を作り、割れた山脈の両辺をヘラクレスの柱としたとも言われる。
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