ゲノム機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 00:16 UTC 版)
鉱質コルチコイドは、細胞質内の鉱質コルチコイド受容体に結合し、細胞の脂質二重層を自由に通過する事が出来る。このタイプの受容体は、リガンドの結合によって活性化される。ホルモンが対応する受容体に結合した後、新たに形成された受容体-リガンド複合体は細胞核に移行し、DNA中の標的遺伝子のプロモーター領域にある多くのホルモン応答要素(HRE)に結合する。 その逆のメカニズムを転写抑制(英語版)と呼ぶ。リガンドが結合していないホルモン受容体は、熱ショックタンパク質と相互作用し、その結果標的遺伝子の転写が阻止される。 アルドステロンとコルチゾール(糖質コルチコイド)は、鉱質コルチコイド受容体に対して同様の親和性を持つが、糖質コルチコイドは鉱質コルチコイドの約100倍の量が血中を循環している。鉱質コルチコイドの標的組織には、糖質コルチコイドによる過剰な刺激を防ぐための酵素が存在する。この酵素は、11-βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼII型(タンパク質:HSD11B2)であり、糖質コルチコイドの11-デヒドロ代謝物への不活性化を触媒する。甘草はこの酵素を阻害することが知られており、慢性的に摂取すると偽性アルドステロン症と呼ばれる状態になることがある。
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