ゲノム断片の水平転移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 22:26 UTC 版)
2002年に産業技術総合研究所の深津武馬研究員らは、ボルバキアの一系統のwBruAusがアズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis L.)の細胞内に細胞内共生しているのを見つけたが、その実体は宿主のX染色体に水平転移した wBruAus のゲノム断片であった。これは、真正細菌から多細胞動物への遺伝子の水平転移(en:Horizontal gene transfer#Eukaryotes)が自然界で実際に起こった明確な証拠である。 この他にもマツノマダラカミキリの常染色体にボルバキアの細胞分裂に関わるftsZ遺伝子を含む全遺伝子の14%以上の大規模の転移が見つかった。また、上記のwBruAusと近縁であり、この事から高頻度で自身の遺伝子を宿主の遺伝子中に結合させるボルバキア系統の存在が推測される。
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