脂質メディエーターとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 脂質メディエーターの意味・解説 

脂質メディエーター

(ケミカルメディエーター から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 13:30 UTC 版)

脂質メディエーター(ししつメディエーター)は、生物活性(生理作用)を持つ脂質である。特に細胞外に放出され、他の細胞の細胞膜受容体に結合することによって作用する分子を指すことが多い。プロスタグランジンロイコトリエン血小板活性化因子 (PAF)、内因性カンナビノイドリゾホスファチジン酸スフィンゴシン-1-リン酸などがその例である。

ステロイドホルモンや脂溶性ビタミンも広義には脂質メディエーターの一種と考えられる。

種類

構造的に分類される。

  1. 脂肪酸由来のもの — プロスタグランジントロンボキサンロイコトリエン、リポキシンなど。脂肪酸そのものも受容体に結合し、インスリン分泌を促す例もある。
  2. リン脂質構造をもつもの — 血小板活性化因子、内因性カンナビノイドアナンダマイド、2-アシルグリセロール)、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルセリン、スフィンゴシン-1-リン酸など。
  3. ステロール構造を持つもの — グルココルチコイド(糖質コルチコイド)、アルドステロン(鉱質コルチコイド)、性ステロイド(エストロゲンアンドロゲンなど)、胆汁酸ビタミンDなど

作用

免疫、生体防御、血圧調節、痛みや発熱、消化管活動、細胞増殖、分裂と分化制御など幅広い生理機能を持っており、このバランスの破綻が多くの疾患と関連している。多くの脂質メディエーターは細胞膜にあるGタンパク質共役受容体に結合し作用する。他方、ステロイドホルモン、ビタミンA、ビタミンDなどは核内受容体に結合し、遺伝子発現を起こす。





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「脂質メディエーター」の関連用語

脂質メディエーターのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



脂質メディエーターのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの脂質メディエーター (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS