グリコペプチド系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 21:45 UTC 版)
グリコペプチド系の抗生物質の代表例が1953年に土壌中の放線菌の一種 Amycolatopsis orientalisから発見されたバンコマイシンである。他にもテイコプラニンなどがこの系統に含まれる。β-ラクタム系がPBPと結合して細胞壁の合成を阻害するのに対し、バンコマイシンはムレインモノマーの一部であるD-アラニル-D-アラニンと結合し、GTによるムレインモノマーの重合を阻害することで作用するとされる。分子が大きいため細胞外膜を通過しにくいという難点や副作用から「最後の手段」と呼ばれることもあるが、β-ラクタム系と作用機序が異なるため、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の様にβ-ラクタム系の抗菌薬に対し耐性を示す細菌の感染に対し、治療薬として使用される。
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