クールー病の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 02:03 UTC 版)
「ダニエル・カールトン・ガジュセック」の記事における「クールー病の研究」の解説
彼は、パプアニューギニアの風土病であるクールー病(現地の言葉で「震える」の意味)の研究でノーベル賞を受賞した。この病気は、ニューギニア島南部高地に住むフォレ族の間で1950年代から60年代に広がっていた病気である。ガジュセックは、この病気の流行と、フォレ族のカニバリズムの習慣を結びつけた。そしてこの習慣がなくなると、クールー病は一世代のうちに完全になくなった。 ニューギニア島のフォレ族の地区を担当する医師であるビンセント・ジーガスが、この病気のことを初めてガジュセックに知らせた。ガジュセックは「笑い病」としても知られるこの地特有の神経病について初めて医学的に研究を行った。彼はフォレ族とともに暮らし、彼らの言葉や文化を学びつつ、クールー病の犠牲者の解剖などを行った。ガジュセックは、この病気は死者の脳を食べるというフォレ族に伝わった儀式によって感染しているという正しい結論を導いた。ガジュセックは、クールー病を伝染させる原因物質は特定できなかったが、後の研究によりプリオンと呼ばれる悪性のタンパク質がクールー病の原因だと判明した。
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