クールノー・ゲームとは? わかりやすく解説

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クールノー競争

読み方:クールノーきょうそう
別名:クルノー競争クールノーの競争モデルクールノー・コンペティション、クールノーゲーム、クールノーモデル
英語:Cournot competition

アントワーヌ・クールノーAntoine Cournot)が提唱した寡占市場における企業戦略モデルライバル関係にある寡占企業生産量変えない(常に一定である)と前提して自社生産量決定するという考え方

商品価格市場供給される商品数(すなわち生産量)に左右され、かつ市場いくつかの企業によって寡占されている状況においては生産量調整(による価格調整)が自社利益最大化する要因となる。クールノー競争モデルでは、ライバル企業生産量変わらない前提自社生産量決定されるしかしながら現実には、ライバル企業も(こちらの生産量変わらない前提で)生産量調整してくるので、市場には不均衡生じる。そこから双方調整繰り返された後に生産量価格とが均衡に近づいていく。

寡占市場における競争戦略モデルとしては、クールノー競争と共にベルトラン競争知られる。クールノー競争は生産量変動させて利益最大化を図るモデルであるが、ベルトラン競争価格設定変えて利益最大化を図る場合モデルとなっている。

クールノー競争

(クールノー・ゲーム から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/15 03:50 UTC 版)

クールノー競争(くーるのーきょうそう、: Cournot competition)とは、企業が互いに独立して同時に生産量を決める産業構造の経済モデルのこと[1]ミネラルウォーター複占市場における競争にインスピレーションを得てモデルを考案したアントワーヌ・オーギュスタン・クールノーに由来する[1]

概要

クールノー競争市場は以下のような特徴を持つ。

  1. 複数の企業が同質財を生産している。
  2. 企業は協力し合わない(共謀はない)。
  3. 各企業の生産量が価格に影響する。つまり、企業は価格支配力を持つ。
  4. 企業の数は所与。
  5. 企業は価格ではなく生産量を決める。
  6. 企業は合理的であり、戦略的に行動し、競合他社の生産量を所与として利潤を最大化する。

各企業が、自社の生産量が競合他社の生産量の意思決定に影響しないという期待に基づいて利潤最大化をしていることを前提にしている。価格は総生産量の減少関数として記述され、全ての企業はこの価格関数を知っていると仮定する。

市場に存在する企業の数と他社の生産量を所与とする。市場価格は、需要がすべての企業の生産量の合計と等しくなる水準に設定される。各企業は、競合他社が設定した数量を所与とし意思決定する。

歴史

アントワーヌ・オーギュスタン・クールノーは、1838年の著書『Recherches sur les Principes Mathématiques de la Théorie des Richesses』で、2社の企業が存在するミネラルウォーター市場(複占)の競争を説明した[2][3][4]。クールノーは各企業の利潤関数(利得関数)を設定し、次に偏微分を使用して、市場内の他の企業の特定の(外生的)生産量に対する企業の最適応答関数を導出した[4]。そして、2社の最適応答関数の交点で安定した均衡が生じることを示した[4]

均衡点では、他社の行動に対する期待が自社の行動と整合的となり、どの企業も生産量を変更する誘因を持たない[1]。この安定性の考え方は、後にナッシュ均衡として定義された。つまり、クールノー均衡はナッシュ均衡である[4]

この理論はレオン・ワルラスがクールノーを先駆者として認めるまでほとんど注目されなかった。ジョゼフ・ベルトランによるクールノーの理論に対する非同情的な批判は、激しい批判に晒された。アーヴィング・フィッシャーは、クールノーの理論について「素晴らしく示唆に富むが、重大な反対意見がないわけではない」と述べた[5]

クールノーの寡占理論(複占理論)は、ミクロ経済理論、特に産業組織論の分野に位置づけられている。クールノーの仮定を緩めたり修正したりして、ベルトラン競争シュタッケルベルグ競争などの他の市場構造モデルも考案されている。クールノーの理論は、不完全競争への関心が再び高まった1930年代に、エドワード・チェンバリン英語版ジョーン・ロビンソンなどの経済学者に影響を与えた。

モデル

クールノーは、寡占市場における均衡について数学的な記述をしている。数学的なモデルは提示されているものの、企業行動についての言葉による直感的な説明は不足している。カール・シャピロ英語版は、現実の経済を実際に観察するとはクールノーの生産量競争モデルに相反する企業行動が見られると述べている[6][7]

ミネラルウォーターを販売する企業が2社存在し、それぞれが費用なしで無限に生産できると仮定する。ミネラルウォーターを直接消費者に販売するというよりも、卸売業者に提供すると仮定すると理解しやすいため、そのように仮定する。各企業は卸売業者に生産予定の数量を通知する。卸売業者は、需要関数

2つの企業の収入はそれぞれ

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