クローズダイス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/17 07:11 UTC 版)
「マスタースクリーン」の記事における「クローズダイス」の解説
ゲームマスターのテクニックとして、マスタースクリーンの内側でノンプレイヤーキャラクター(NPC)の行為判定のためのダイスを振り、そのダイス目はプレイヤーには教えず、行為判定の結果や達成値のみ教えるという方法がある。これをクローズダイス(クローズドダイス)、もしくはブラインドダイスと呼ぶ。 クローズダイスが生まれた経緯はごく初期のテーブルトークRPG(特にダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ)にある。初期のテーブルトークRPGでは、ダンジョンでの罠の発見の判定をPCが行うとき、ゲームマスターはそれを「判定が失敗した」「判定が成功した」と明確に言わないことがある。代わりに「罠が見つかった」「何も見つからなかった」と言うようにプレイヤーに伝える。これは、「何も見つからなかった」という結果を得たときに「本当に罠は存在してなかった」のか「実は罠はあるのだけれども、見つけられなかった」のかは、キャラクターには判別がつかないはずだというリアリティ上での理由である。判定が成功か失敗かは伝えず、キャラクターが「見た結果」だけを伝えるということである。これによりダンジョン探索の緊張感を高めることができる。 このような処理をするとき、プレイヤーがダイスを振ったときの出目で、判定が成功したのか失敗したのかをある程度推測できるという問題がある。そのため、罠の発見の判定は、プレイヤーの代わりにゲームマスターが判定を代行し、結果だけを伝えることがルールで規定されていた。このとき、プレイヤーに見えないところでダイスを振る必要があるため、「マスタースクリーンの裏で振る」ことが考案された。 また、クローズダイスは、ダイス目から逆算してNPC(特に敵)のデータを推測されないためにも必要とされる。コンピュータRPGでは敵のデータをマスク化することはごく簡単だが、テーブルトークRPGではマスタースクリーンを使って資料やダイスの出目を隠すという工夫が必要になる。 NPCの行為判定のダイスの出目を公開しないことを利用して、実際に出たダイスの目とは異なる数を行為判定の結果としてプレイヤーに伝えることも可能である。このような改ざん行為を行う理由は様々であるが、ゲームマスターが振るダイスの出目が予想以上に偏ってしまい、そのまま適用してしまうとプレイの楽しさが損なわれるためという理由も存在する。 また、クローズダイスとは逆に、プレイヤーに対してダイスの出目を公開するようにダイスを振るやり方をオープンダイスと呼ぶ。オープンダイスだとダイスの出目から敵の能力が逆算されてしまうが、プレイヤーがダイスの出目から敵のデータを推理するのもゲームを楽しむ要素であるとして肯定する考え方である。
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