クロージャの用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 23:59 UTC 版)
クロージャには多くの用途がある。 ライブラリの設計者は、関数(コールバック関数)を引数として受け取る関数(高階関数)を定義することで、利用者が挙動をカスタマイズできる汎用的なライブラリ関数を提供することができる。その際、クロージャを高階関数の引数として渡すことで、記述の簡素化や高階関数の外側の状態の参照が可能となる。例えばコレクションのソートを行う関数は、比較関数を引数に渡すことで、利用者が定義した基準でソートできるようになるが、クロージャを使うことでさらに自由度の高い比較処理を簡潔に記述することができるようになる。 クロージャは遅延評価される(呼び出されるまで何も実行しない)ので、制御構造の定義に用いることができる。例として、Smalltalk の分岐 (if-then-else) や繰り返し (while、for) を含むすべての標準制御構造は、クロージャを引数にとるメソッドを持つオブジェクトを利用することで定義されている。同様な方法で利用者は自作の制御構造を簡単に定義できる。 遅延評価される引数のように、その値を求めるためのものは揃っているが、まだ値自体は計算されていない、というものを記憶しておくために、追加の引数を持たないクロージャのようなデータ構造を使う。これをサンク(thinkの過去形)という。ALGOL 60の名前渡しの実装において考案された。
※この「クロージャの用途」の解説は、「クロージャ」の解説の一部です。
「クロージャの用途」を含む「クロージャ」の記事については、「クロージャ」の概要を参照ください。
- クロージャの用途のページへのリンク