クロイツ群の未来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 11:06 UTC 版)
力学的に考えると、クロイツ群は今後数千年にわたって、明瞭な集団としてはっきり識別できる状態であり続けるかもしれないと言われている。クロイツ群の軌道は最終的には重力的な摂動によって分散していく。しかしクロイツ群を構成する彗星の分裂速度次第で、重力的に拡散する前にクロイツ群が完全に破壊されてしまう可能性もある。SOHOによって発見される、この群に属する多数の小さな彗星から、どのように彗星が分裂して集団を形作るかが将来間違いなく今よりずっとよく理解されるようになると考えられている。 最後に明るくなったクロイツ群の彗星は2011年に発見されたラヴジョイ彗星 (C/2011 W3)である。1970年のホワイト・オルティス・ボレリー彗星以来、41年ぶりの発見であった。小振りな彗星であったため当初は太陽接近時に消滅してしまうものと思われていたが、奇跡的に生き延びると、12月25日頃には南半球の空に長大な尾を見せ、「クリスマスの大彗星」と呼ばれるまでになった。近い将来にクロイツ群に属する新たな非常に明るい彗星が現れる可能性を見積もることはできないが、過去200年に少なくとも10個の肉眼で見える彗星がやってきたことを考えると、壮大なクロイツ群の彗星がまたいつの日か現れるのはほとんど確実だと予想されている。
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