クモ合戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 01:26 UTC 版)
クモは肉食性の小動物であり、2匹を近づければ攻撃を仕掛け合うことがある。そこで、クモを捕まえてきて互いにけしかけ、喧嘩をさせる遊び(昆虫相撲)が各地にある。本種やナガコガネグモ(本種ほど攻撃的でないのでおもしろくないという)のような造網性のクモを使う場合や、徘徊性のハエトリグモを使う場合(ホンチ・フンチ)などがあり、各地の伝統的な遊びにもなっている。ただし、子供が野外での遊びをすることが少なくなった現在では、それを見ることはあまりない。海外ではフィリピンで2匹のクモを細い横棒の上で闘わせる遊び(クモ相撲)が子どもたちによって日常的に行われているが、使われているのはコガネグモではなく、ヒメオニグモ属のクモである。 現在、このコガネグモを使用したクモ合戦を地域の伝統行事として盛んにおこない、町おこしに利用しているところもある。鹿児島県姶良市加治木町では「加治木くも合戦」を毎年の6月第3日曜日におこなっている。大人も子供も参加し、参加するものはあらかじめコガネグモを採集し、大会まで大事に育てる。強いクモを飼育するには色々な秘伝があり、名人と呼ばれる人もいる。紅白の布を巻いた横枝のついた棒を立て、この横枝にコガネグモ2匹を止まらせ、互いに喧嘩するようにけしかける。行司役は「タッタッタ」というかけ声をかける。この行事は、伝承に由れば、文禄・慶長の役において、薩摩藩の島津義弘が出陣した際、兵士達を励ますために始めたものとされている。高知県四万十市にも同様の行事で「全日本女郎ぐも相撲大会」(対戦するクモはコガネグモ)がある。
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